Leopold

数学・物理・化学について考えたことを,書いてみる.

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最近の記事

整式の割り算を考える

整式の割り算の問題を考える際に重要なポイントは, n次式で整式を割ると,余りはn-1次以下になる すなわち,1次式で割ると余りは定数(ゼロ次)になり,3次式で割ると余りは2次式,1次式,または定数のいずれかになる.これを踏まえて問題を考えると計算が楽になる. 整式の割り算の問題でよく出題されるのは次のような問題だ. 3次式で整式を割っているため余りは2次式以下になる.このため,多くの問題集では余りを2次式において解いている.しかしながら,その解き方では未定数が3個にな

    • 群数列の解き方を考える

      多くの問題集に示されている群数列の解法は初学者にとって難解である.なぜn-1群末項の関係からn群初項を見出すか理解しにくい.ここでは,群数列について表を用いた解法を示す. 群数列を考える際,重要なポイントが2点ある. ①多くの問題で,使える文字は群の数nのみである. ②群の数nに関連付けて,各群の項数や末項が初項から何番目かを明らかにする この2点を踏まえて,各群の初項・末項を明らかにしていく. 【例】2 | 4, 6, 8 | 10, 12, 14, 16, 18

      • 2次関数の場合分けを考える

        2次関数の場合分けは高校1年で学習するが,理解するのにはハードルが高い内容である.特に,場合分けは中学数学では出てこなかったため,どのようにイメージし検討するかで苦戦することが多い.ここでは,2次関数の最大・最小値の場合分けをどのように行うか説明する. この関数を平方完成すると頂点の座標は(a, 1)になる.このためaの値のとり方により,グラフが平行移動する.このグラフが平行移動するイメージを把握することが必要だ. 最大値まず,aの値のとり方により最大値がどのように変化す

        • 平均・分散・標準偏差・相関係数を考える

          データの分析の問題では,データを変換したときに平均値,分散,標準偏差,さらに相関係数がどのように変わるか問われることがある.このような問題で一つ一つ計算をすると時間を要してしまう.このため,データを変換・追加した場合,値がどう変わるかを知っておけばスムーズに解くことができる. データを変換した場合 データxをx=ax+bと変換した場合,平均値,分散,標準偏差,さらに相関係数は次のように変化する. これらをイメージにすると次のようになる.これをイメージすることができれば,

        整式の割り算を考える

          溶解度の解き方を考える

          溶解度の問題は計算自体は単純であるが,考え方に苦戦する場合がある.ここでは,飽和水溶液を蒸発させ,さらに冷却した際に析出される結晶の量の求め方について示す. 溶解度の計算のポイントは,分母の値を飽和水溶液の質量または水の質量と使い分けることである. 例題:60°C の飽和水溶液 200g から水 50g を蒸発させて,20°C まで 冷却したとき,何 g の結晶が析出されるか求めよ. ステップ 1 60°C のとき,水 50g を蒸発させたとき析出される結晶の量

          溶解度の解き方を考える

          オストワルト法について考える

          オストワルト法の問題では,問題に示された3式から1式にまとめて個々の問題に答えるパターンが多い.このまとめる作業を入試の際に行うのは,時間を要する.重要なポイントは,次のようになる. 1molのアンモニアから1molの硝酸が得られる. これを知っておくとで,時間を要することなく問題を解くことができる. ただ,3式を1式にまとめる作業はできるようになっておいた方が良い.PDFファイルに詳細を示した.

          オストワルト法について考える

          確率漸化式を考える

          確率漸化式の問題は,国公立2次試験や私立一般入試でよく出題される.この問題を解く際,漸化式をどのように立式するかで苦戦する場合が多い.ここでは,樹形図を用いた確率漸化式の考え方を示す.確率漸化式を考える際には,樹形図を計算余白に書き,漸化式を考えて,それを基に実際の解答を書くのが容易である. 【例題】はじめ,A は赤玉を 1 個,B は黒玉を 1 個,C は青玉 を 1 個持っている.サイコロを投げ,1 から 3 の目が出たら A とB は玉を交換し,4 から 6

          確率漸化式を考える