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【健大高崎センバツ初優勝!】 優勝への軌跡

お疲れ様ですm(_ _)m LEOと申します。

3月31日、2024年センバツ大会決勝戦。
最後の打者を三振に抑えマウンドに歓喜の輪を作ったのは健大高崎高校でした。
センバツ大会での群馬県勢は初優勝。
いかにして健大高崎高校は全国の名だたる強豪校に競り勝ち、優勝を掴んだのか。
1回戦から振り返っていきましょう。

◇1回戦《学法石川戦》 2年生リレーで完封勝ち!完勝と思いきや、、

 健大高崎 4 ー 0 学法石川

             Fsの集い Yuチャンネル提供

佐藤投手石垣投手の2年生リレーで完封勝ちを収めた試合でした。
佐藤投手は左投左打でインステップが特徴的な投手です。直球はクロスファイヤーのボールが精度・威力共に良く、変化球はスライダーがフリスビーのように曲がり右打者にはチェンジアップを使って腰砕けにしてしまう、、
2年生とは思えない程の完成度をしていました。7回を無失点に抑えます。
その後を継いだ石垣投手はこの試合最速147㎞を計測する直球を武器に右打者にはカットボールを投げていました。試合後のインタビューでは「緊張していた」と語るように力を入れた時に直球が抜けている場面がよくありました。その中でも2回を無失点に抑える好投。
2年生2人の活躍で初戦を0封勝利!
磐石な勝ち方と思いきや…打線に少し陰りがありました。

前半戦はお互いスコアボードに0を並べていく試合運び。押しているのはどちらかというと学法石川の方でした。
6回に相手のミスで先制し、7回には打線が噛み合い3点を取ったとはいえ課題が残る試合運びとなりました。
個人としては優勝予想に挙げていたとはいえ、勝ち上がっていけるのか…不安に思ったのを覚えています。実際に現場で指揮している青柳監督は試合後のインタビューで「甲子園で勝つのは難しいなと感じた」と振り返っておられました。次の試合については「今日の試合のように粘り強く戦っていきたい」と語った青柳監督。2回戦の明豊戦を振り返ってみると青柳監督が語った言葉が現れた試合になりました。

◇2回戦《明豊戦》 2試合連続2年生コンビが0封! 適時打は無しも指揮官は手応え

健大高崎 4 ー 0 明豊

           Fsの集い Yuチャンネル提供

1回戦とは違い、初回から試合が動きました。
1回裏、健大高崎の攻撃。
1番斎藤選手、2番田中選手の連打から相手のミスもありながらもクリンナップで2点先制。
中盤の6回、7回に追加点をあげました。
特出すべきはこの試合全ての得点がタイムリーではなく犠牲フライや相手のミスで挙げたものという点です。
これに対して青柳監督は試合後のインタビューで、
次の塁を積極的に狙う姿勢が良かった。
と語っています。
三塁に走者を置いた場面でのゴロゴーで本塁を陥れる練習を冬場にトレーニングしてきたとのこと。その成果が新基準バットになっても点を取りに行ける秘訣なんだと感じました。

投手陣は2試合連続0封リレー。
佐藤投手はこの試合最速141㎞を計測。この試合で新たに仕入れた情報はクイックの速さです。プロでは平均1.2秒前後を求められますが、佐藤投手は1.14~1.16秒。牽制のバリエーションも豊富のためなかなか走者は盗塁できないかなと思いました。
石垣投手は甲子園に少し慣れたのか初戦よりも調子が良いように見えました。調子が良くなるとボールが唸りを上げるように打者に向かっていき、最速は149㎞を計測。常時140㎞中盤を計測する等とても2年生とは思えない出力の高さ…。
この2人の2年生が間違いなく優勝の原動力でした。
2人の頑張りが実を結び、次戦は打撃陣が奮起します。

◇準々決勝《山梨学院戦》 プロ注目捕手が覚醒! 前回王者を終始圧倒!

健大高崎 6 ー 1 山梨学院

           Fsの集い Yuチャンネル提供

前回王者、山梨学院との1戦。
実はこの対戦秋季関東大会準決勝と同じカードでした。
当時は3-2の1点差で山梨学院が勝利
と健大高崎としては借りを返したいところでした。
ただそこは甲子園を数多く経験している山梨学院。試合前インタビューで同校の吉田監督は「関東大会とはお互い全く別のチーム。初対戦ですよ」と油断も隙もない感じでした。
その中で勝利を収められたのは2人の選手の活躍が大きかったと感じました。
1人目は6回から登板した石垣投手です。
ここまでの2試合の継投は佐藤投手が7回、石垣投手が2回という形でした。
ただ佐藤投手が5回途中に左手の指の皮が剥けるアクシデント。。
ベンチとしても少し早い継投となったのではないかと思っています。
その中で登板した石垣投手。最速146㎞を計測し、常時140㎞前半の直球を武器に4回1失点と好投しました。
気持ちの入った投球を見せてくれた石垣投手ですが、「いつもよりも力んでしまった」と本人は語っています。
山梨学院は関東大会準決勝で自身が3失点を喫し、自分のせいで負けたと悔いていた相手。
再戦でベストピッチを
と気合いが空回りしてしまい4四死球を記録、制球に苦しみました。
それでも内野を信じて、自分が冬にやって来たことを信じて投げ抜いた2年生投手はこの試合で一段成長できたことでしょう。
その石垣投手に、
おれを信じて投げ込んでこい!
と声をかけた箱山選手が2人目の勝利の立役者です。
年明けに怪我した腰痛の影響でここまで本来の力でスイングが出来ていませんでした。
本人曰く「少しずつ痛みが和らいできた」と語っていた準々決勝。ついに打撃が爆発します。
5回に2点タイムリースリーベース、7回にもタイムリーヒット等、3打数3安打3打点と大活躍でした。
箱山選手の打撃がインパクトに残るところですが、自分が注目したのは守備面です。低めのフレーミングを下から上に止めることができ、要所要所での声掛けなどの献身的なプレー。石垣投手の背中を後押しする姿もチームリーダーとしての背中を感じました。
打線もここに来て田中選手高山選手と状態を上げてきました。
ここに来て磐石な勝ち方ができた健大高崎ですが、今大会中最も苦しめられる星稜との1戦が待ち受けているのでした。。

◇準決勝《星稜戦》 両校譲らないシーソーゲーム! 最後に勝負を分けたのは○回だった。

健大高崎 5 ー 4 星稜

           Fsの集い Yuチャンネル提供

今大会で初めて先制された1戦。
佐藤投手のアクシデントの影響もあり、石垣投手が今大会初先発。2、3回と失点を重ね、3回までに2失点と苦しい立ち上がりになります。
健大高崎は4回に反撃。
好調の箱山選手のレフト前ヒットを皮切りに、森山選手の出塁、加藤選手の同点タイムリースリーベースで試合を振り出しに戻します。
それでも流石神宮大会覇者の星稜。
4回裏にすぐ勝ち越しに成功。
5、6回はお互い0を並べどちらが先に試合を動かすのか。。
7回表、健大高崎の攻撃。
ここまで粘りの投球で3失点に抑えている石垣投手がセンター前ヒットで出塁。
ここから健大高崎自慢の上位打線が新基準バットなんて何のその!
長打連発で試合を動かします。
一死一塁から、1番斎藤選手のライト方向へのタイムリースリーベースで同点。
その後田中選手がアウトになるも、
二死三塁から3番高山選手がレフト方向へタイムリーツーベースで勝ち越しに成功。
4番箱山選手がレフトへタイムリーヒットと続き、5-3に!
7回裏に星稜は服部選手のタイムリーツーベースで1点を返すもその後、8回に登板した佐藤投手が2回無失点に抑えてゲームセット!
健大高崎が群馬県勢69年ぶりの決勝進出を果たしました。
星稜としては8回裏、代わったばかり+指の怪我の影響で制球が定まらない佐藤投手から先頭打者四球から送りバントで一死二塁とチャンスを作りましたが、センターフライに二塁走者が戻れずダブルプレーに。。
このプレーが星稜としては痛手でした。

この試合こそ全員で勝ち切った試合になりました。
石垣投手は7回4失点ながらも強力星稜打線に粘り強く投げ抜き、最速150㎞を計測。大会前に話していた「150㎞以上を出したい」という思いを有言実行しました。
1回戦から安定感抜群、高山選手の攻守に渡った活躍。状態を上げてきた箱山選手の3安打による活躍。加藤選手の同点打等、個々の力が強かったスター軍団がチームとして成熟してきた証になりました。
この勢いのまま決勝戦を取りに行く!
ナインはついに決勝戦に足を踏み入れます。

◇決勝戦《報徳学園戦》 大会屈指の投手陣を擁する強敵! 土壇場で結果を残す○○選手!

健大高崎 3 ー 2 報徳学園

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報徳学園は背番号1の間木投手、背番号10の今朝丸投手の二枚看板で勝ち上がってきました。
決勝戦の先発はドラフト上位候補にも名前が上がる今朝丸投手。
点数はあまり取れないだろう…
先制点は取られたくないなぁ…
と健大高崎サイドは考えていたことでしょう。
その考えとは裏腹に1回表、報徳学園の攻撃。
この試合も先発を任された石垣投手を攻め立て、
5番安井選手がライト方向へタイムリーツーベース。
右翼の斎藤選手の送球を一塁手の森山選手が捕球できず後ろに逸らしてしまい、その間に走者が還ってきて 2-0 と苦しい展開になりました。
幸先悪いなぁと思っていましたが私の不安を一気に吹き飛ばす選手が現れました。
ここまで打率.071と苦しんでいた森山選手です。本人が1番苦しんでいたんだと思います。さながら去年の侍ジャパン、村上選手のようでした。
1回裏、健大高崎の攻撃。
2番田中選手が四球で出塁し、4番箱山選手がバットの返りを最後まで我慢してアウトコーススライダーをレフト方向にヒット。
二死一、二塁のチャンスで森山選手に打席が回ってきました。
絶対ここで打つ
と打席に入り、レフトオーバーの同点2点タイムリーツーベース。
ここで同点に追い付いたのが大きかったと思っています。
3回裏、健大高崎の攻撃。
先頭の斎藤選手が三塁打を放ち、高山選手が勝ち越しのタイムリーヒットを放ちました。
その後はお互いの両先発が踏ん張って試合を作りスコアは動かず。
今朝丸投手、石垣投手共に連投の疲れが出ているなと感じていましたがお互い8回を投げ抜く投球を見せてくれました。
最終回は健大高崎のエース、佐藤投手が登板し最後の打者を三振に抑え有終の美を飾りました。
健大高崎高校の皆様、優勝おめでとうございます!

◇優勝の要因はチーム・個々の勝負強さ!

ここまで試合を振り返ってきましたが、健大高崎の強さの要因は何処にあるのでしょうか?
自分が考えたのは、
勝負処の見つけ方
です。
「そんなの当たり前じゃないか!?」
と思われる方がいらっしゃると思いますが、、

元々が個々が強いチーム。
チームとして纏まるのか、それとも個々だけで戦ってしまうのかで大きく変わってきます。
1、2回戦は投手陣が踏ん張り打線の状態が上がってくるのを待ち、投手陣にアクシデント・疲れ等で不安が出てきた時は野手陣が奮起して点を取ったり
お互いがお互いを支え合うこと
が今大会の強さでした。
さらに相手のキープレイヤーに仕事をさせないことも、勝利に繋がったと考えています。
星稜戦ではそれまで打率.556を記録している能美選手を0安打に抑えました。
報徳学園戦では今朝丸投手から3点を取り、さらに1番打者のリードオフマン橋本選手を0安打に抑えたりとチームを波に乗せる選手を封じること、健大高崎が対策したことがハマったことも大きな要因だったように感じます。
ドラフト候補が多くいるチームが初戦で負けることは高校野球でザラにある話です。
勢いに乗って勝ち上がっていくわけではなく、1つ1つ自分達の出来ることをやり続ける精神力、ここぞの場面で発揮される勝負強さが健大高崎の強さなんだと思いました。


だいぶ長文でお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
今大会は新基準バットに変わりながらも高校球児が試行錯誤しながらプレーし、結果を残している姿に熱い感情を覚えました。
高校野球ってやっぱりいいな
と改めて思った大会でした。

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