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即興短詩集


やさしさの在処くらいは知っている

ただ木漏れ日が傍にないだけ



火口付近のフラメンコ

背を向けたひとのフェロモンを

持ち越す夜も赤子をあやす

四半の離人感を訴える人に

6時間の読書時間を贈ろう

遠い子守唄が

熱を帯びて詩吟に化けるとき

ギター掻き鳴らすその指で

安らかな頂きまで昇れ



まだここで君を待ってる



いくつもの静かを知っているのに

いつも上手に表せないから

静かをことばで埋めてしまう



降っているな

失念していた生活が

過去は過去だと呼び捨てるとき

この慈雨のことを忘れてないか


・・・


ブルースの窓の先

降り注ぐ時雨は黄色

いつまでも耳につく

透明な甘い声



血の滴るような下弦の月だ。
湿度までが魔術に加担している。



今宵のソファは一段と深く沈む

眠りを前借りするつもりだろう

疲れが着ていた悩み柄の服

剥ぐのはやめた 夏風邪が怖くて



炎天よ消えゆく猫の水アート


#詩  #ポエム #短歌 #俳句

ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!