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海の片隅で待っている

行き違いさえ笑みでかわして、
私はひとつ大人になった。

思い出したの。
いつも抱いていたぬいぐるみより、
いつかどこかの海で拾った
貝がらの方が、ずっと
部屋の片隅で見守っていた。

私は知っていたのね(幼い頃から)、
大事なものは……

思いついたの。
愛した人はこの街にいて、
いつか海沿いも歩くことでしょう。
あなたが跨いだその貝がらは、
私が大事にしまうものでしょう。

行き違いさえ笑みでかわして、
私はきっと私になった。

大人と私の狭間に揺られ、
満ち潮の時刻……せめて会えたら

ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!