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RIPPLE〔詩〕

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2022年2月の記事一覧

使われなくなった音階 【掌編】

使われなくなった音階 【掌編】

 宵の口。深いため息をついて、ひとりがけのソファに腰を下ろした。ついさっき部屋を出て行った弟の残像が過ぎり、声まで聴こえてくるようだった。
〈姉さんは分かっていない! なぜ自分の人生をそんなに粗末にするんだ?〉
 弟の言う通りだ。何もかも分かっていないのは私の方。

「でもね」
 独りごちた言葉が部屋の閑寂へと吸い込まれていった。“でも” のない人生とは、私には手の届かなかった人生だ。悔しい……で

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