中華レンズの世界 Vol.4 大口径レンズ
以前、小型標準レンズの紹介をしましたが、今回は大口径レンズです。
大口径レンズでは、設計方針により描写の癖が違いますので、購入する場合、どういう性能を目指した製品なのかを見極める必要があります。
TTArtisan 50mm F1.4 ASPH (フルサイズ用)
F1.4開放で撮ってみました。カメラはα7Ⅱ。
同じ構図で前ボケ、後ボケを見ていますが、ボケに変な癖や色味の有る輪郭も見えないきれいなボケをしていると思います。色収差と非点格差が少なく、各色の色コマ収差も揃っているのでしょう。良いレンズだと思います。
6枚構成のガウス型レンズの後ろに縮小光学系が付いたような構成で、縮小光学系の一枚が非球面レンズになっている構成。非球面レンズは光束が細くなっている位置に使われているので、像面湾曲や非点収差の補正をして周辺像の画質向上をするために入れているようですね。
参考にライカMマウントのライカ製50mmF1.4ASPHの構成と比較してみました。こちらは非球面レンズがガウス構成の中央付近で、球面収差補正のために非球面を使っているようですね。開放での中心解像度Upを狙ったのでしょう。非球面の使い方が全然違って興味深いです。こちらの後ろ1群2枚のところはほぼ度なしのフィールドフラットナーの役割でしょう。ちなみにライカ純正レンズは70万円程度です。TTArtisan50mmF1.4ASPHはマウントにより3~4万円台です。
さて、先程のTTArtisan50mmF1.4は癖のないレンズでしたが、今度は非常に癖の強いレンズの紹介です。
Neewer35mmF1.2 (APS-C)
5群7枚とのことですが、このラフな構成図(一部省略なのか6枚に見える)しか公開されていないようです。
1枚めはF1.2開放、2枚めはF5.6。カメラはX-E1
開放ではフワフワな描写ですが、F5.6まで絞るとかなりしっかりしてきます。開放ではソフトフォーカスレンズ並みな印象です。
こちらもF1.2開放とF5.6の比較です。
描写の2面性を楽しむのに使うべきレンズだと思います。
絞り込みで解像度は大きく向上しますが、像面湾曲があるようで、こういった複写的な使い方には向いていないようです。自然風景だと気にならないでしょう。
中国製大口径レンズは、絞り開放からシャープな映りを狙ったものと、絞り開放ではフワフワな描写で、わざわざオールドレンズ調のイメージを狙ったものの2通りがありますので、購入前にどちらのタイプのレンズか見極める必要があります。
TTArtisan 50mmF1.4 ライカMマウント
ライカMマウントカメラ用の距離計連動機構内蔵のため割高ですが、ライカマウントなのでアダプター併用すればどのミラーレスカメラでも使えます。
TTArtisan 50mmF1.4 ソニーEマウント
アダプター併用すればニコンZマウントカメラでも使えます。
TTArtisan 50mmF1.4 ニコンZマウント
Neewer 35mmF1.2 ソニーEマウント
Neewer 35mmF1.2 フジXマウント
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