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連休と読書

やっぱりおフランス文学よいわ。
ゾラもバタイユも、小説でやたら性的放埒が題材になっていて心底うんざりするが(そのような放埒に覚えがないし)、胸やけを抑えて小説全体を読めば、表現も描かれたものもたいへん自由な印象が。
シェイクスピアやゲーテとも重きを置くものが違う。そういうものはやはりフランスという土地とその文化的文脈と分かちがたく生まれて来るからなのかな。

特にバタイユは気に入った。『目玉の話』(中条訳)も楕円の球体というイメージの連なりを軸に、出来事が別のもにすり変わっていて面白い。この感じはロブ=グリエの映画や最近のフランス哲学一般書を見ても共通するものがあるように思う。こういうところからデリダが生まれてくるのは、なるほどね。

ところで、『マダム・エドワルダ/目玉の話』共にそうだけど、私にはベンヤミンの「幼年期の楽園」が思い出された。確かベンヤミンは幼い頃の楽園にいるような充足的幸福と性的なものを関連させてとらえてなかったか? バタイユの性への投影も、赤ん坊の満たされた幸福感を再度求めるところがあるような。そんな気がちょっとした。正しいかわからないが。

しかし本全般もう少しさくさく読めるようになりたい。難易度高めな文芸を次々と読みこなしている人達を見掛けると、本当に羨ましいなあ。私にはなかなか大量読書が出来ない。
喋り言葉の文体もソフトカバーの自己啓発的内容だったりすると、読みづらくて本当に頭に入らない。読むのいやになったりする。なんでも乱読出来る人本当に羨ましいです。

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