00 SURREAL -出逢い-

”背負う覚悟の分だけ可能性を手にしてる"

ayuと出逢った始まりの言葉
Mステでの新曲披露だった
真っ黒なレザーワンピースに黒のブーツ
巻き巻きの金髪
世間で言うところの
「THE あゆ」が確立しつつある時だったと思う
当時10歳だった私は
イントロのピアノの旋律と
そのビジュアルと
そして何より、まっすぐな瞳で
何かを突きつけるかのように
ハスキーに歌うその姿に
一瞬で惹き込まれた
今思えば
あの時が生まれて初めて
心が震えるのを感じた瞬間

当時は歌番組もたくさんあって
HEY!HEY!HEY!、歌の大辞テン、POP JAM
ゴールドディスク大賞からレコード大賞
年末のあらゆる特番まで
この曲を何度もTVで歌う彼女を見た
出演しているところだけをビデオテープに録画しては
私だけのayu集を作るのが好きだった
そしてそれを擦り切れるほど見るのが好きだった
前後のトーク内容や衣装も
今でも鮮明に覚えている

歌の中で変わる表情、鋭い目線
声の出し方、身振り手振り
その全てを何度も何度も繰り返し見ては
その瞳が何を訴えているのか
この人は何を伝えようとしているのか
知りたくて、突き止めたくて
画面にかじりついていた

ayuになりたくて
自分の部屋にこもっては
何度も何度も歌った
身振り手振りを
真似しては
何度も何度も
この言葉たちをなぞった


"好きなモノだけを 選んでくのが
無責任だってワケじゃない
好きなモノさえも見付けられずに
責任なんて取りようもない
背負う覚悟の分だけ可能性を手にしてる"


彼女の中ではもしかしたら
人生最大だったかもしれない
とてつもなく大きい絶望を受け入れて
ある一つの覚悟を歌った曲だったんだと
20年越しに知るのだけれど
(それはいつかの機会にまた・・・)

あの瞳の強さは
何かを悟ったかのような
半分諦めたかのような
そんな葛藤と覚悟を
物語っていたんだと思う
だからこそ 鮮明に、鋭く
私の心を掴んで離さなかった

今まで何千回と聴いたか分からない
LIVEでも定番曲だし
徐々にそのパフォーマンスからは
当時の尖った感じは薄れていったけれど
あの時の覚悟は 今も変わらずずっと
ayuの中に根付いていて
彼女が歌うたびに
このフレーズを聴くたびに
私の中にも根付いていった

人生にいくつかあった
何かを選ぶ時
迷いを断ち切る時
不安に立ち向かう時
この言葉が
私の拠り所だった
幾度となく
この歌が
そこに込められた彼女の覚悟が
私を奮い立たせてきた

今でも
彼女が魅せたい世界を
込めた想いを
彼女が創る終わらない夢を
紐解くのはやめられない
考えずにはいられない
そうやって
ずっとその姿を
自分の人生と共に
刻み込んできた
そんな23年間だった


"どこにもない場所で
私は私のままで立ってるよ
ねえ君は君のままでいてね
そのままの君でいて欲しい"


23年前のayuへ
23年前の幼き自分へ

”そのままの君” を
私はようやく取り戻したよ
もう何があっても失くさないよ

”どこにもない場所”で
あなたがあなたのままで居続けてくれるから

私は今日もこの言葉を胸に
諦めずに歩いているよ

”背負う覚悟の分だけ可能性を手にしてる"

始まりの言葉
そして
永遠に消えない
私を揺さぶる言葉

#思い出の曲


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