見出し画像

センスは知識から始まる

皆さんは「センス」と聞いてどのように感じますか?

これからの時代はChat GPTやAIの台頭で問題に対する最適解がすぐに分かり知識が必要のない時代になります。つまりネガティブなことをいうと答えが分かるということは皆それぞれが答えを知っているのでありふれた答えばかりの「つまらない世の中」になるということです。

これは色々な分野に言えると思います。
例えば恋愛でいうと、3回目のデートで告白すると成功率が高い、ラインは少し遅らせて返信すると効果的だとか。
そんなありふれた答えに則った人が増えることは少し悲しいと思いませんか?


ですが、仮に先端の技術が進んだつまらない世の中になったとしても「センスの良し悪し」だけは言語化が難しく、すなわち答えは無いと思います。つまりこれからの時代の分かりやすい他人との差別化は間違いなくこのセンスの良さだと感じています。

この文章を読んで少しでもセンスの良さを身につけたいと感じてくれた人にはぜひおすすめする一冊です。

オススメ度 ★★★★☆

・この本を読む目的
他人を見ていてなんとなくこの人はセンスが良いなと思うことが増えセンスとは何なのか、どうしたら身につけられるのかを知りたいと思った。

・この本を読んで良かったこと
まさしく今の時代は技術がピークを迎え始めていると思っていた。特に人間は技術が限界まで進歩するとノスタルジックな思いに身を寄せ、美しいものを求める傾向があるという文章を読んで歴史的な部分を見てもその通りだと思った。

・自分は今から何をするか
市場調査ではなく自分が本当に欲しいもの「みんなも本当は欲しいだろう」と自分が思うものを生み出す努力を続ける。
調査だけに頼っていると自分は何が良いと思い、何が作りたいのか、自分の頭で考えなくなる。この他力本願な姿勢がクリエイティビティの低い頭脳構造を生み出す。そして調査結果だけで決めたとなると責任の所在が曖昧になる。
売れれば良いという姿勢ではなく自分の意義やセンスを大事にして底力にする。

・3ヶ月ごどうなっていたいか
デジタルの技術に頼ることなく自分のセンスで物事の良し悪しを判断できるようになっている。

・センスは知識からはじまる 読書メモ
①センスの良さとは数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である。誰にでも生まれつき備わっている。

②まずは「普通を知ること」が必要である。
普通じゃないことを追い求めるのではなく普通の感覚がとても大切。むしろ普通こそが「センスが良い、悪いを測ることができる唯一の道具」
では普通とは?「良いもの」が分かること、「悪いもの」が分かること。
その両方を知ったうえで「一番真ん中」が分かること。「普通」を知っていればありとあらゆるものが作れる。「普通」は定規。
なのでまずはひらめきを待たずに過去に存在していていた「誰でも見たことがあるもの」という知識を蓄えることが大切。
あっと驚かないものを知って、土壌を広げその上であっと驚くアウトプットを目指すべきである。
イノベーションは知識と知識の掛け合わせである。「あっ!」よりも「へえ!」にヒットは潜んでいる。ありそうでなかったものが画期的と捉えられる。

③技術の向上はいずれ「頭打ち」になる。
とことん何かを高めていくと「質の良い何か」はコモディティ化する。
次に求められるのはセンス。
量、安さ→質の高さ→センスの良さ
安かろう悪かろう→便利で工夫されている→デザインや美的センス

歴史を眺めてみると、技術が劇的な進化を遂げているとセンスの時代が来てしばらくするとまた技術の時代がやってくるというサイクルがあり必ず技術からセンスの揺り戻しがある。

④100が200になったものは人間は欲しくならない。
100が101になったもの、せいぜい110くらいになったものを見た時に人は「斬新だ、新しい、欲しい」と思う。

⑤どんなに良い仕事をしても、どんなに便利なものを生み出しても、見え方のコントロールが出来ていなければその商品はまったく人の心に届かない。
センスを磨くにはあらゆることに気がつく几帳面さ、人が見てないところに気が付ける観察力が必要。本当に簡単なことを「これが重要だ」と認識し日々実践していくこと、その繰り返しを続けることが難しい。

⑥人が未来に引っ張られる進化だけの生き物だとしたら骨董好きなどいないし一定のサイクルで古いファッションが流行ることない。
古いものに慈しみを持ち古いものに美しいと思う感情が未来へ新しいものへと進もうとする力に拮抗してバランスをとっている。
このバランスを加味したうえで企画を考えないとあまりにも先進的で攻撃的な誰もついてこられない独りよがりな企画になってしまう。

⑦センスの最大の敵は思い込みであり主観性。センスを良くするためには単に流行りの情報を収集するだけではいけない。数値化できない事象を最適化するためには客観情報ほど大切なことはない。
色々な人に直接聞いて膨大な知識を集積している人こそセンスがある。
いくら瞬時に物事を最適化できる人がいたとしても、そのセンスは感覚ではなく膨大な知識の集積である。

⑧効率良く知識を増やす3つのコツ
1、王道から解いていく。
定番もの、一番良いとされているもの、ロングセラーになっているもの。
2、今流行っているものを知る。
一過性のもの。SNSや雑誌などでみると良い。
3、「共通項」や「一定のルール」が無いか考えてみる。
自分なりに見つけた両者に共通していることを具体的に見つけてみる。

⑨「感覚的にこれが良いと思うんです」は禁句。
センスが知識の集積である以上、言葉で説明できないアウトプットなどあり得ない。

⑩人の感覚はとても繊細で敏感なもの。
具体的にどこがどう違うのかは言えなくても、その製品が他とは何が違うか理由はわからないけどかっこいいこと、高い精度で丁寧に作られたものであることは鋭く感じ取れる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?