時代の新しいニーズに応え続ける! 1935年創業 老舗パフメーカー社長が語るこれからの美容グッズとインフルエンサーへの期待
抗菌効果のあるメイクアップパフ『Sofitty(ソフィッティ)』をはじめとした、パフ、洗顔・泡立てグッズ、フェイスケアグッズ、ボディケアグッズなどを企画・開発・販売する株式会社石原商店。時代とともに変わる美容グッズのデザインや、日本のインフルエンサーに求めることについて、代表取締役社長の石原 健次郎さんに伺いました。
−−石原商店では、さまざまなコスメ・ケアグッズを販売されていますが、特に有名なパフについて教えてください
石原さん「パフは、素材や機能で差別化することが難しい商品です。パッケージを工夫して他の商品との違いをアピールすることもできますが、やはり中身を気に入ってもらえないとリピートしてもらえない。
一度購入した人が気に入って、何度も買いたくなるような商品の開発が重要です。
『Sofitty(ソフィッティ)』は、銀イオンが練りこまれており、抗菌効果があります。以前から売れ筋商品でしたが、昨今の感染対策意識の高まりに後押しされ、引き続き人気の商品です」
−−確かに、パフはどのような軸で選んだら良いのかわからなく、イメージやパッケージで買ってしまいます。とりあえず試して、一度気に入ったら、他の商品に浮気せずリピートしますね。
使用者の心理を理解した商品づくりは、どのように実現しているのですか?
石原さん「企画、開発デザイン、製造、販売まで、全て社内で内製化しています。企画と営業の担当者が協力して、世の中が今求めているものを把握し、商品開発に取り入れています。
日本でパフを販売しているメーカーは10社以上あるのですが、自社ブランドとして売っているところは3社ほどしかありません。商品の中身から店頭に並ぶパッケージまで自社で作っているため、お客さまが手に取りたくなる見た目、リピートしたくなる使い心地を実現できます」
−−石原商店ではOEM(他ブランドの委託を受けて商品を製造すること)の事業も行っていますが、開発・製造する商品に信頼があるのですね
石原さん「Sofitty(ソフィッティ)のような抗菌効果のある商品のニーズが高まっているので、海外からもOEMの依頼があります。
ニーズに応えられるよう、依頼元の会社や、社内の企画担当、営業担当で協力して開発しています」
−−商品のバリエーションも、販売先も多様なのですね。美容やボディケアに関して、新しい流れを感じることはありますか?
「まず第一に、男性も美容を楽しむようになってきていますよね。パフなどの商品自体は男性でも女性でも使えるものですが、可愛らしいデザインだと手に取りにくい男性もいます。そこで、男性向けのデザインで販売したり、性別を問わないジェンダーフリーなデザインを考えるなど工夫しています。
次に、インクルーシブデザイン。高齢の方や、体の一部が不自由な方でも使いやすい商品デザインが求められています。片手で簡単に泡立つ『チュチュサボン』は、怪我や障害で片手が不自由な方、赤ちゃんの世話や介護で入浴時に手が離せない方に使っていただきたい商品です。
最後に、環境への配慮が求められています。まだ構想中ですが、素材を天然のものに変えていったり、パッケージや包装の変更を考えています」
−−さまざまな商品を企画・販売する中で、PRはどのように取り組んでいるのですか?
石原さん「基本的には、プレスリリースを使って新商品をPRしています。過去には、テレビCM、雑誌広告なども実践しました。
インフルエンサーマーケティングについては、中国で行い、売上アップにつながりました。ですが、その時は売上効果が継続しなかったので、継続して買ってもらえるような仕組みが必要だと感じました」
−−日本のインフルエンサーに求めるものを教えてください
「一般のユーザーが信頼できる、生の声を届けるインフルエンサーがいると良いなと思います。生の声というのは、正直な意見を発信してくれる人です。
何でも褒めるのではなく、『実際に使って、本当に良いと思ったものを紹介してくれるインフルエンサー』が増えていくと、インフルエンサーの方々が発信する情報の価値が高まると思います」
取材協力
株式会社石原商店
代表取締役社長
石原 健次郎さん
株式会社石原商店 ISHIHARA CO.,LTD
創業1935年 老舗パフメーカー