ビジネスにおけるWebサイト制作へのアドバイス
Webサイト、あるにはあるけど「あんまり生かせてない」と感じていませんか?
いつもベンダに任せているけど、正直よくわからない。と感じていませんか?
他人に丸投げして高い金額を払っても良いWebサイトは生まれません。
今回の記事は「じゃあWebサイトってどうすればいいのよ」と思っているアナタのためになる考え方を紹介します。
〇以下の人に向いています
・Webサイトをこれから作ろうと思っている方
・現状のWebサイトの運用・改修費用の高さに困っている方
〇以下の人に向いていません
・広告費用を湯水のように使えるサイト運営の方
・顧客に高い金を払わせたいWebコンサル、開発ベンダの方
Webサイト制作で最も大切なこと
さて、「Webサイト制作で最も大切なこと」と聞かれてどんなことが思い浮かぶでしょうか?
・優れたエンジニアを確保する。
・高精度で未来を見通せるマーケターに参画してもらう。
・AWSの仕組みを勉強する。
どれもとても有意義なことだが、「最も大切なこと」ではありません。
「Webサイトへの期待値を正しく見積もる」こと
これこそが最も大切なことです。
期待値を正しく見積もるとは?
分かりやすく言い換えると、
「このWebサイトは何のためにありますか?」
「このWebサイトの成功基準は何ですか?」
への回答を用意しましょう。
ということです。
Webサイトはピンキリです。
毎日数千万PVを稼ぐWebサイト、毎月100億円の売り上げを出すECサイトもあります。
こういったWebサイトを目指したいと考えるのであれば、相当量の投資が必要になるし、年月も必要になります。
が、あなたのHPにそんな100点満点のサイトは必要でしょうか?
自分の事業規模的にWebサイトにどうなってほしいかを考えましょう。
単なる愚痴
筆者はそういった「ベンダに食い物にされて、投資額だけ増えてしまい経営的にも引くに引けなくなったWebサイトの正常化」をよく依頼されます。
そういったケースでは、「大きい会社だから安心して任せていたがダメダメ」ということも多いです。
某日〇製作所系列は、GoogleAnalyticsの操作方法すら知らず、SearchConsoleすら入れていないのに「SEO対策済みのWebサイトでリリースしている、数字が伸びていないのはWeb担当者がCMSでコンテンツをマメに生み出していないから」と該当会社のWeb担当者がすべて悪いように言い張っていました。その辺のマネジメント込みのコンサルしてこそ専門家ちゃうんかい!Webサイトは洗濯機と違って作って納品して終わりなわけないやろ!
本当に皆様、悪質なベンダに騙されないようにしてほしいです。
期待値はどう見積もればいい?
あなたのビジネス上のWebサイトへ求める期待をまずは雑に書き出してみましょう。
これは本当に雑でいいです。
基本的に営利企業である限り「売上を伸ばしたい」が目的だと思うので、そこにぶら下がるものを考えましょう。
・売り上げを伸ばしたい
⇒来客数を伸ばしたい
⇒Webサイトの資料請求数(コンバージョン)を伸ばしたい
⇒1.PV数を増やす
⇒2.コンバージョンを改善する
この例が一般的だと思います。
これを定量化していきましょう
定量化
よく言われる定量化するための層に「潜在層、健在層、顧客層」であったり、「認知、興味、顧客化」というワード。カスタマージャーニーを改善しよう!とか言われる奴ですね。
(所謂「ファネルを考えましょう」ということですね)
これらは「一切気にしなくていいです」
こういうことを言い出す人は「Web改善の本質を理解していません」
こういった顧客のニーズは、どんなデジタル商材を使っても企業側が作れることは一切ないです。
Webサイトは「顧客の需要にこたえる窓口」にすぎず、「意図と違ったらスグ離脱」されるだけです。
人間の営業のように顧客の顔色を疑いながら話題・商品を変えたり、違う類似商品を提案する。ということはWebにできません。
カスタマージャーは「客の旅路を”把握”する」ことに意味がある指標であり、「最終的に顧客が商品を購入する際の接点とその寄与率を把握しておこう」ということで、それらの寄与率を向上することは原則できません。(下降させることはできますが)
定量化のため考える所は「セッション数」「CVR」「その後の決定率」「顧客の単価」だけを意識すればよく、Web制作で気にすべきは「セッション数」「CVR(のほんの一部)」だけです。
一例
・セッション数1000/月
⇒CVRが3%
この目標が明確であれば、後は自動的に営業側の努力になります。
⇒問い合わせ数は30回/月
⇒問い合わせ後の決定率(来店率、購入率)は30%
⇒10人/月が購入
⇒顧客単価は1万円
⇒Webサイトで10万円/月儲かる
と算出すればよいです。
そもそも問い合わせ後の決定率や顧客単価を取っていないという場合、Webサイト制作の前にそこから着手しましょう。
そして貴方のWebサイトを成功に導くコツは「期待するセッション数」を明確にすることです。
ちょっと待って!「決定率の高い質の良い客」だけ集客するためにWebサイト使いたいんですが
無理です。できません。
問い合わせ後のメールやマーケティングオートメーションツール等でいい感じに対応してください。
そもそも、客の質に良いも悪いもないです。
あえて”質の悪い”客がいると仮定しても、客が増える以上、自社の意図しない客も増えるのは当たり前です。そういう客をどうするのかは会社様の営業指標別なので、Webサイトに対応を任せないでください。
冷やかしお断りなのか、冷やかしにも手厚い対応をするのかは企業様次第です。
でも営業が忙しくなっちゃうんです
「Webで公告を打ったせいで、営業が回りきらなくて困った」という悩みを言われたことがあります。
これ、当たり前です。
Webサイト制作時、営業側に何も準備をさせずただ客を増えたら、営業が忙しくなるのは当然です。
なので、「Web公告を打ったりする前に、営業の増員、ツール導入」などをしていなかった企業側に原因があり、Webの質は関係ありません。
目標セッションが決まったら
そのセッション数を確保するための流入手段を決めましょう
その前に、流入経路の大原則
Webサイトができることはユーザが求めた情報への回答だけです。
ユーザは、「あれ、検索意図と違うな」と思ったサイトからはスグ離脱します。
「広告クリック後も同一」です。
なので、流入を考えるうえで「顧客はこういったキーワードでサイトを訪れるだろうな」という仮定のもと、サイトや広告を作りましょう。
オーガニック流入
Google等の検索から流入するユーザであり、SEOなどの対策により伸びる数字です。
さて、あなたはSEO対策で1000セッション確保したい!と考えたとき、どんな対応が必要か認識していますか?
検索ジャンルにもよりますが、検索順位1位での平均クリック率は14%、2位で7.5%、3位で4%です。
業界大手のサイトたちがSEOを殴り合ってとっている検索ボリューム数1万のワードで1位になって、1400セッション。これらは競合次第なので、1億円かけてもSEO1位を取れない可能性があります。
そういうワードで1位になるのは現実出来ではないので、おこぼれを狙うロングテールキーワードやローカルシグナルを立てて大手との競合を回避するのが得策です。
一方で、そうやった有象無象を集めると考えた場合、
100検索ボリュームのキーワードでSEOが1位になったとして、14セッション/月であり、1000セッションを必要とするなら、72個のコンテンツが必要になります。
また、それらのコンテンツでSEO下落しないような対策を日々する必要があります。
マーケターに良いキーワードを100個考えさせるのに100万円。
それに合わせたSEOコンテンツを作るのに1コンテンツ1.5人日としても150人日≒1人月。(60万円~120万円くらい)
それらのコンテンツがちゃんとSEOをとれているか確認するのに定常的な監視コスト。
Webサイトで人を集めるということは非常に費用が掛かります。
広告流入
次に簡単なものに、広告流入というものがあります。
クリック単価200円くらいで流入取れるので、1000セッション欲しかったら20万円かかります。
さて、20万円出して1000セッションを確保してあなたのWebサイトは黒字になるでしょうか?
1000セッション⇒CVR3 %で問い合わせ数30件、決定率30%で10件成約。1件の客単価平均は1万円なので、10万円の売り上げ。。。。
20万円の投資で、10万円の売り上げ(利益でない)
赤字ですね。
広告には客を取り込める即時性がありますが、赤字にもなりやすいのでご注意ください。
SNS流入やメルマガ流入
会社のファンがSNSやメルマガに登録してくれてそこからWebサイトに来てくれるパターンです。
まず、会社のファンになったうえで「登録」してもらう必要があり、また継続的なSNS投稿を繰り返さないと効果が出ないのでこちらもだいぶ厳しいです。
SNSは一般的に「即自的な流入に向かず、お店自体のプロモーションとして運用した方が良い」と言われております。
メルマガは、「すでに確保した客へのサービス」であり、これまたWebサイトとは少し違う形になります。(ECサイトとかならそうだけど)
じゃあ何すればいいのよ
ここまで見て、「全然いい手法ないじゃないか!結局、自社のWebサイトをどうすればいいんだ!」と思ったあなた。
Webサイト、運用する必要ないんじゃないですか?
Googleマイビジネスへの登録や、インスタグラムなどのSNS活用、ぐるなびや価格ドットコムのようなポータルサイトの利用だけでダメですか?
「Webサイトを作る」ことは手段であり、目的ではないです。
まずは会社の知名度を上げ、費用隊のとれる基盤ができてからWebサイトの検討をすることをお勧めします。
そしてこれらの検討は「ご自身の手」で行うことをお勧めします。
なぜならコンサルやベンダを入れると、その時点で投資金額が上がります。
その分、Webサイトで回収しなくてはいけない金額が増え、ハードルが上がります。
幸い、Webサイトというのはスケーリングに優れる集客手法です。スモールスタートしましょう。
また、こういった会社にとってのWebサイトの指標を考えることは、「コンサルよりも実際にその会社で働いているアナタ」の方が詳しいし優れているからです。
Webサイト制作という本来手段であるはずのことを、目的としないように、まずは正しい知識を身につけましょう。
まずはベンダやコンサルに払っていたお金を営業のボーナスに回してあげてください。
きっとそっちの方が売り上げ上がります。
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