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あなたは、何にでもなれる。


めっちゃ声が大きくて、めっちゃ怖い。

中学の時の社会の先生。


クラスの上位5名くらいしか授業について行ってなかった。

「勉強してください!!!!!!!」

それが彼女の口癖だった。

勉強が苦手な生徒にも、手加減なし。

正直、はじめは好きじゃなかった。

何を言っているのかわからない。

怖すぎるし、授業もテストも難しすぎて拷問だった。


テストの点が悪かった時は、

「最悪ですね!」と、目を合わせて、お構いなしに言うような。

ほんとに、ただの怖い人だと思っていた。



ある日、彼女に当てられて全く答えられなかった私は、悔しくて、恥ずかしすぎて、家に帰って号泣してしまった。

授業で悔しくて泣いたのなんか、これが最初で最後。


それから、彼女の授業のために本気で予習して、本気で授業に臨んで、復習もした。

「彼女はこんな質問をしそうだな」

そう思った事は、できるかぎり準備した。

彼女に負けたくない。その一心で勉強した。


すると、少しずつ勉強が楽しくなってきた。

難しすぎる彼女の授業は、本当は、深くてためになる授業だと気づいた。



そして、次のテストでは、95点。

クラスでもトップだった。

彼女の難しすぎるテストで、クラストップだなんて、嬉しすぎた。


浮かれて帰ろうとした途中。


職員室の前で、彼女に「れもん(私の名前)さん!!」

と呼ばれた。

その時、彼女に言われた言葉は、自分を大きく変えた。


「あなたは、何にでもなれる。どんな高校にだって行けるし、何にでもなれる。だから、これからも勉強しなさい。」



彼女は、ただの怖い先生なんかじゃなかった。

努力したら、ちゃんと認めてくれる素敵な大人だった。


こんなにも愛のある「勉強しなさい」は、

これまでも、これからも、きっとないだろうと思う。


きっと、彼女は私のことなど少しも覚えていないと思う。

そういう先生だったから。


でも、私は彼女のおかげで勉強の仕方が分かったし、勉強の楽しさも、努力する苦しさも喜びも知った。



それから私は、叶えたい夢があって大学生になった。

彼女の言ってくれた

「あなたは、何にでもなれる。」

その言葉を思い出して、これからも、なりたい自分には何にでもなろうと思う。


私は、彼女のような大人になりたい。








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