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辻褄合わせ
おかあちゃん
と甘え声で私を呼ぶと上目遣いにニッと笑った
その握られた手が余りにも小さかったので
こんなに小さな手だったかな…と記憶を辿るが
私は母と手を繋いで歩いた事などなかったのだと気づく
三つの年に実母を亡くした母は曽祖母に育てられたそうだから
母にもそうした記憶はないはないはずだ
だからきっと母は今幼い頃に夢見た世界にいるのだろう
子供に戻った母がその頃叶えられなかった望みを果たせたのなら
最後の最後に辻褄があったのかもしれない
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