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思い込みの幻想の世界で②

2023年3月1日、旧ワタシは奄美大島の東シナ海でいわゆる「あの世」に行くギリギリの体験をした。入水したワタシはなぜか船のはしごに引っかかり、それに気づかず船が走り出してしまい、水中で引きづられるというアクシデントに遭ってしまった。

この世とあの世の境の線上を走っているようなタイムラグの不思議な感覚。

実際20秒前後くらいだったと思うけど、この世では体感的には長く感じた。それは冷静な思考が働いていたから。この状況を生き延びるにはどうしたらいいのか?と体内の酸素を使わない意識があった。これは長年のフリーダイビングのトレーニングの成果かもしれないし、本来もつ人間の本能みたいなものが働いていたのかもしれない。

あの世はね、まったく時間の感覚とか苦しみみたいなのがないの。その時の海の中で聞こえてくる水の音が不思議に聞いていたり、海の中に溢れる泡がキラキラしてる映像を冷静どころか「無」になってみている自分もいた。ふっとそのゾーンに入っている感覚。そして、あぁもうこの世を去るんだなと。

「のんちゃん、ごめんね。次会うときワタシは生きてないから悲しい思いをさせてしまうよ。」

旦那さんが悲しむことに申し訳ないって気持ちが内側から溢れた瞬間、
身体が船から外れて、大海原に投げ出されていた。

助けてーーと大きな声で叫んでいた。



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