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痛みと破局化

今日は慢性痛の破局化について考えてみたい。

まずはアルバート・エリスさんから

アルバート・エリス - Wikipedia

心理学者で論理療法の創始者とされアーロン・ベックの認知療法とともに、いまでは広く知れ渡っている認知行動療法の分野の基礎を築いた方だ。

さて痛みの破局化とは

痛みに注意がいきすぎたり、無力感に襲われたり、過大な評価をしてしまう認知過程といわれる。

これは恐怖-回避モデルともよばれるものである。

痛みに対する恐れのために

それまで出来ていた活動を避けがちになったり

それが長く続くことで身体的な機能の低下や気分の落ち込みなどが生じる

さらにまたよりいっそう痛みを感じやすくなるという

悪循環に陥ってしまうことだ。

普通であれば

疼痛に対しては冷静に客観的に判断し、その時にできることをしたり、なければ、とりあえずおいといて日常の活動を行うものだが、

ふとしたことからこの痛みに過度に注意がいってしまったり、判断や行動がバランスを崩してしまったりする。

しばらくすると元にもどるものだが、

それがどんどんエスカレートしてゆくと

難治性の慢性痛へと落ち込んでしまいやすい。

気にすればするほどもう自分ひとりでは戻れないところまでいってしまう。

このことを最初に指摘したのが先ほど紹介したアルバート・エリスだ。

このようなバランスの崩れた状態が常に続き

その状態に陥った個人の認知や情動の傾向や過程を

破局化とよんだ。

前回に痛みのゲートコントロール説について少し書いたが

痛みはその局所、抹消だけでなく、中枢、脳

認知や情動のバイアスをうける

だったら

認知や情動にアプローチすることで

痛みを抑制することができる

そういう方向からしばらく痛みについて考えていきたい。

今日はここまで。







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