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昇降についてー脾の運化ー

外界から天の気と地の気をとりいれて人は生

きている。

これは生理学的には、呼吸と異化や消化と門

脈系の話しともつなげて考えていくことが臨

床には役にたつと思う。

東洋医学には

横隔膜という大きな節目を境にして

上下でからだをみていくやり方があり、

気の流れるコースを経絡を頼りにこの問題を少し考えてみたい。

出発点は中焦。

横隔膜より下、臍より上の中焦から気は上へ上へと昇る。

この中焦には臓腑としての脾と胃がある。古

代の中国人はこのあたりから気が出てくる(気化作用)と考えたようだ。

もちろん素直に、食べた飲食物、五味を胃が受け取って消化して気が生じるととらえて良いと思う。

中焦から生じ胸のあたりを上昇する「気」について「霧のごとし」(霊枢)

という表現があることから中焦の脾には運化といって気を運ぶ作用があり、

ここから全身へ運ばれていくことが示唆されている。

最初のツボが現れるのは肩のあたりで「中府」となる。

府というのは集まるという意味で中焦から霧のように上ってきた気が集まる場所だ。

ここでは肩の夜間痛などを治療する際に参考になるかもしれない。

もちろん体操や運動療法もよいがその他に、

食事の仕方や患者さんの「中焦から肺へ昇る

流れ」を少々意識する必要があるように思う。

夜間の遅くに食事量が多かった場合など、さ

らに横になることで、たとえば心臓へ帰る静

脈のルートの交通渋滞を招きやすい。

流れが悪いと浮腫んだり側副ルートとしての

肩の静脈へ負担がかかり、だるいような痛み

を誘発しすくなるのではなかろうか。

直接肺に負担がかかれば夜間の咳嗽につなが

ったりもするだろう。

この場合食事の量や時間を工夫することで症

状の軽快が得られるかもしれない。

整形外科的な所見以外にもこの「中焦から肺

へ昇る流れ」

つまり脾の運化作用を意識することで症状を

軽減するヒントが得られるのだと思う。




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