見出し画像

どちらから見る?ただそれだけ

統計って、どこから切り取るかによって180度異なる結果を導き出すことができます。

最近聞いた話で、『幸福な人はそうでない人に比べて7~10年寿命が長い』というもの。いくつかのサイトで同じような記述を見ました。そのうちのいくつかは、大手生命保険会社のものでした。おそらく出典は同じところなのじゃないかと思います。

しかし、その根拠となるデータには一切触れられていません。どれくらいのサンプル数で、どういう国の人で、どういう生活環境の人で、かつ収入はどれくらいで…と、統計に必要な根拠となるものに関しては、一切書かれていない。しかし人間って面白いもので、それが大手生命保険会社のサイトに掲載されていたら信じてしまうのでしょう。

わたしはここ1年の間に、ふたりの友人を見送りました。彼らは日本人の平均寿命からしたらとても短い人生でした。本人じゃないので断言はできませんが、彼らは死ぬ間際まで幸せだったと思います。愛する家族や友人たちに囲まれて見送られ、短い人生だったとしても精一杯生きたと思うし、わたしはそう信じています。幸せだから長生きするのではない。たまたま幸せだった。幸せには、人生の長さは関係ない。

統計が切り取り方によってまったく違う見解を導き出せるように、物事には必ず両面があります。

ハワイアンは時間にルーズだと言われます。確かに、今の世の中では時間を守らないように見えるでしょう。しかし、彼らは海洋民族です。海に出るために必要なのは、『潮目を読むこと・天候を見極めること』。時間だからと海に出るのではなく、天候によって自分の行動を決めるという環境で生きてきた人たちだからです。

すべてのものには両面からの見方がある。わたしはそれを忘れないでいようと思います。


鏡に映った世界も世界の一部。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?