ピアノマンとBLUEGIANTと自分語り

NOTEのBLUEGIANTの感想を見る度、
疼いてきた僕ですが。
「僕も、書きたい!!」と。

めっちゃネタバレ含みます。

去年初めて映画を観てドはまりし、
漫画全巻購入、
サントラ購入、
Blu-ray購入、
JAZZバー潜入、
小説(ピアノマン)購入
と、30代後半の人生に大きな影響を与えてくれた作品。

恐るべし、石塚真一。

………

物語はめちゃくちゃ王道。
世界一のJAZZプレイヤーを目指すサックスプレイヤーの主人公(大)
が、天才ピアニストの雪祈、大の熱にあてられてドラムを始めた高校時代の友人玉田と日本一のJAZZバーに出演するまでを描く熱血青春物語。
幾つになっても真っすぐストレートな作品って心を打つよね。

素人玉田と、
より強い光を放つ大を前に才能が揺らぐ雪祈の
挫折と克服、成長に、
心が持ってかれること請け合い。

………

で、まぁなんでここまでドはまりしたかっていうと、
ちゃんと理由があって(ここからが長い自分語り)。

自分のアマチュアキックボクシングの試合と重なっていたから。

当時の僕は、
この試合に出場することに割と大きな時間と労力を捧げていて。

というのも、
学生時代から精神が弱いせいで納得のいく結果を出せていないコンプレックスを、ここで払しょくしたいという思いを持って臨んでいたから。
(格闘技はずっと好きでやってみたかったのに、30過ぎてから始めたのも、
精神と意志の弱さから。)

仕事と家庭の合間を縫って練習に没頭した日々と、
BLUEGIANTの熱さが重なったんですな。

特に、物語終盤、
日本一のjazz バー「SO BLUE」への出演が決まった後、
雪祈が事故で欠場する中、

ドラムとサックスで出演することを決めた二人の演奏
「We Will」は心にぶっ刺さりまくりで、
今でも毎日のように聴いているお気に入りの曲。

そう、学生時代に聴いていたミスチルやスピッツに敵う曲なんてないと思っていたけれど、
強い想いを持って取組んだ時間と結びついた曲って忘れられないんだなと実感したよね。

減量のしんどさも追い込み練習の過酷さも、スパーでぼこぼこにされた嫌な記憶も、
全てがこの曲に込められている、僕にとっての想い出の曲になった。

………

でまぁ、この熱い想いを活字にしたのがピアノマン。
作者はNUMBER8氏。
原作の原案も務めている方だ。

内容は原作を雪祈視点で描いている。
漫画や映画以上に雪祈の不器用な優しさや繊細さ、
葛藤をその克服が深く描かれているので、雪祈が好きなら一読の価値あり。

恩田陸氏の「蜂蜜と遠雷」の時も思ったけれど、
音楽を活字で表現するってとても難易度が高い気がする。

それを作者は、「色」を使って違和感なく表現していた。
(映画を観た後に読んだから、頭の中で音楽が流れていたというのもあるけれど)

漫画も小説も映画も、全て外れなし。凄いことだ。

………

大人になって、
それなりの経験を積んで、
色々な価値観を知って、
良い意味でも悪い意味でも図太くなった。

そんな今なら学生時代のコンプレックスを克服できるだろうと思って
出場を決めた試合で、
納得ができる所までもっていくことが出来た。
しかもこの大会の対戦相手のセコンドが推し選手である重森陽太選手で、
試合後賞状にサインしてもらって2ショットまでしてもらったからね。

その時に傍にあった作品として、
僕はBLUEGIANTとJAZZを推し続けていきたい。

………

なんてすごいきれいな思い出に仕上げているけれど、
この時の試合はアマチュアのBクラスで、
その2ヶ月後に出たAクラスの試合では手も足も出ずにぼろ負け。

「プロってすげぇや」という畏敬の念とともに試合出場については一区切りをつけたものの、

今年職場に来た新採や異動者がインハイ出場経験者だったり、
競技のスポンサー契約経験者だったりで、
チクチクとコンプレックスが再燃しているというみっともない現状があることも追記。

結局、納得したつもりでも全然折り合いってつかなくて、
こうした想いってずーっとしこりとして残り続けるんだろうな。

その後悔が体型維持とか運動習慣とかに結び付いているから、
全てが悪いことだとは思わないけれど、
出来ることなら納得して次のステージに進みたいものだ。

なんて、宮本大はうじうじ悩んだりしないだろうけど、
再び「やるぞ!!」って思い立った日に備えて、
準備だけはする日々です。

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