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「関心領域(映画)」

ようやく映画の関心領域を観ることが出来た僕ですが。

原作の感想はこちら↓(あまりかみ砕けませんでした)

内容が内容だけに横道逸れずに早速レビュー。

一行あらすじ。
アウシュビッツ収容所の隣に住む司令官一家のホームドラマ。

この設定に惹かれて原作を読み、
映画も観たのだけれど。

映画については、
より家族の平和な日常が強調され、
収容所の悲劇との対比が目立つ形になっている。

のだが。
悲劇についての描写のほとんどが音のみ。
直接的に凄惨な映像描写が一切ない。
ので、さりげなく描写された内容から想像するしかない。

例えば、幸せな家族のパーティー風景に流れる汽車の白煙。
幸せの裏でこれから選別されるであろう映像が挟まれている。

例えば、奥さんが使用人に服を与えて自分も新しいコートを試着する場面。
何故かコートのポケットには使用中の口紅が。
この辺りから、押収した品をネコババすることが日常的に起こっていたことが想像できる。
(押収した歯磨き粉の中からダイヤ見つけたとかの世間話もあったな)

例えば、舞台が家の時は始終騒音が流れているが、舞台が家を離れると途端に静かになる。
どんな酷いことが隣で起こっていても無関心でいられることを描写している(多分)。

これくらいのさりげなさ。めっちゃ不親切。

両腕骨折した思春期男子の枕元にそっと
TENGAを置くような。
そんなレベルの不親切さ。

………

これ、
知識がないと分からんて。

そこで
思い出したのが射精道。

射精道の中で、
刺激の強いオナニーに警鐘を鳴らす著者が
たまには「妄想オナニー」を提唱していた。

でもさ、何も知らないのに「妄想」なんてできひんやん普通。

出来るんなら言ってやー。

大迫半端ないって!!

………

関心領域も同じで、
アウシュビッツ収容所で起こっていたことをあらかじめ知っておかないと、
退屈な映画で終わってしまうと思う。

無学な自分からしたら、
製作陣の「これくらい知っとけ」感がちょっと鼻についたのが正直な感想。

理解ができないってことは、
もっとしっかり勉強しないといかんってことだけれど。

テーマに関心がある場合、
これでもかってくらいネタバレ見てから観賞をお薦めする映画でした。

………

4Dだったら匂いも再現出来て、
より一層隣人の狂気に没入できそうだけど、
それやったらとんでもない上映事故になりそう。
そんな映画、関心領域でした。

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