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変な映画【僕の映画感想】

今日は何かと世間を騒がせている映画『変な家』を見てきた。せっかくだし、noteで感想を話そうかと思います。

#映画感想文

結構ネタバレしてますのでそれでもいい方のみここから先読んでください!


 主人公の雨宮は「雨男」と名乗り、怪談話を軸に配信活動を行っていた。
その配信活動を裏で支えている柳岡という男は結婚済みで、とある一軒家を買おうとしていたのだが、その家の間取り図に違和感があると言う。

雨宮は知り合いの設計士である栗原に意見を聞きにいき、そこが「殺人のための家」ではないかと推理する。

次々と明かされるその家の謎と「その家で夫が殺されたかもしれない」と話す柚希という女性。

そこから結びつく「とある一家」の呪い。
彼らは段々と踏み込んではいけない領域に身を投じていくことになる。

原作は独特な世界観で視聴者を魅了する動画投稿者「雨穴」で、漫画版では「オカルト専門フリーライター」と様々な顔を見せる主人公枠に、映画版では「伸び悩んでいる配信者」を新たに作り出すのはとてもいいと感じた。

本編でも言われていることだが、他人の家庭事情に首を突っ込んだり、関わろうとすることには一円の価値もない。けれど彼が名声や大バズリを生きがいにする動画配信者である以上、そこへ踏み込まざるを得ない。
それが原作・漫画版にはないリアルな人間の姿として好印象だった。

先に個人的に嫌な所を述べると、全体的に暗かったです。
映画館なんだから仕方ないというのもあると思うんだけど、途中の栗原さんのメモ書きによる説明が見にくかったり、表札の一部が見えなかったりしました。(もしかしたら僕の視力の問題かもしれない)けれど暗いのは作品の雰囲気と合ってたし良い所でもあるんですけどね。

嫌なところと言えば、やっぱりこの映画のラストは正直最悪寄りの微妙だった。
中には本編中に起きていた謎を回収するシーンもあって、そこはとても良かったのだが、映画の最後、雨宮のマンションに謎の空間がある事が判明する、そしてその空間に面した壁に耳を当て、中に何かがいるラスト。

これまじ何?世にも奇妙な話かよって思ってしまった。

全てが一件落着(一部不明)したのに、こんな後味の悪いラストはハッキリ言って蛇足にもほどがある。そんなんするなら結局何もなくて雨宮と栗原が一安心とかでいいし、なんなら雨宮と柚希が本編以上にいい感じになって終わっても良かった。正直原作とかとは別物に見ているし、意外と違和感ないだろ。

正直違和感を話したらきりがない、どうしてジジイが親戚の手首を切り落としたのかもよくわからない、汚れのない子供に切らせなきゃ意味がないんじゃないの?柚希のお母さんもホームレス相手にやってそうな匂わせもあったけど、誰でもやってもいいなら、そもそも子供を閉じ込めてまで成長させて、人を殺させる意味がないだろ。

けれど、これにもきっと意味がある。
ここからは私の推理にはなってしまうんですが…

時代が進んでいった結果、とある一家に残されてしまったのは、曖昧になってしまった呪いと、時代錯誤な風習を逆手に取って遺産を狙う親戚、そして進んだ建築技術による子供を守るための部屋と家族の愛。

本当はこの世に呪いなんてものは存在せず、ただ「そうするしか無い・そうしたい」という人間の意思があるだけで、それは時に殺人を正当化したり、金が欲しかったり、自分の息子を守りたかったりと、人の数だけ「〜したい」の意思がある。

主人公だって「動画のネタの為」から「柚希の為」に意思が変わってるし、嫌々言いながら変な家の謎究明に積極的な栗原さんには設計士としての意思も見えてくる。

意思が過去の呪いを打ち砕き、無事にハッピーエンド、しかし意思は受け継がれるものでもあるよねっ?っていうのがこの映画のメッセージなんじゃないかなーと思いました。

まぁ、あくまで推理ですからね。

この映画は意外と批判の方が目立っていて、あまりにも気になっていたから蓋を開けてみたわけなんだけれど、「あれ、意外と面白いぞ?」って思うくらいには楽しめました。
批判する人たちの言いたいことは分かるし、気持ちもわかる。
この映画の面白いところの根幹はやっぱり雨穴さんの「変な家」によって作られている所はある。それでも、映画にしか無い良さは確かに存在していた。

この映画によって原作や漫画、小説のイメージが下がることはないだろうし、「ツッコミどころはあるけどちゃんとした映画」みたいな位置づけだと思う。

正直いい意味で期待外れだ、ゲテモノみたいな映画かと思ってハードルを下げていたら、普通に面白い映画だった。まぁ原作があんなに面白いのに、この映画がネタにもならないほどつまらなかったら、歴史に残るくらいの炎上が起きそうなものだ。

みんなも周りのレビューとかに惑わされず、映画は映画で楽しめたら良いと思います。それが一番いい。

終わり

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