トルコで断食月(ラマダン)で驚いたこと
忘れもしない今年の4月27日。私はダーリンに
『イフタールに来ないか?』と突然言われた。
何かと思ったらなんと、
日中の断食明けのご飯のお誘いだった。
今年の4月13日からゴールデンウィーク明けの5月12日くらいまで、イスラム教徒にとっては太陽が空にある間、飲まず食わずの儀式をするラマダンと呼ばれる期間だった。
ようやくロックダウンが少し緩んだと思ったら、ラマダンになったので、私は憤慨してしまった😇
だってようやくその頃は確か、カフェやレストランでの店内飲食がOKになったのだ。
しかしその期間多分3週間にも満たないくらいで速攻ラマダンになり、ラマダンだからという理由でまた店内飲食がNGとなったのだから。
実は私はトルコでのラマダンを経験するのは2回目。2年半前にトルコに訪れた時、ちょうどラマダン真っ最中。
正直、旅行するかも迷った。噂やネットの情報ではラマダン中は日本のお正月みたいな感じで、どこもお休みになると聞いたからだ。
でもまあこれも旅行の良い思い出になるだろうと諦めて、ラマダン期間中にトルコへ旅立ったのだ。
結果、拍子抜けするくらいどこのお店も空いていたし、むしろ宿泊していたホテルはラマダン期間を他の旅行者たちは避けていたのか、ガラガラで快適だった。
イスタンブールにはトランジットで8時間くらいいたけど、日本で例える渋谷、新宿、原宿のTaksimは絶好調で、問題なく楽しめた。
そんな記憶があったから、ラマダン期間中はイスタンブールに関しては特に問題ないと思っていた。しかし実際は観光地のみが問題ないだけで、基本的には半分のお店は営業しない、もしくは営業時間短縮をするのだそうだ。
しかし当時Cihangir(ジハンギル)というTaksimに程近い場所に住んでいた私は、あまりお店が閉まっているという不便さを感じなかったのだけどね。
人生で2回のラマダン期間は、所詮、旅行で来たときと、今回はロックダウンの影響が本当に強くて、本来のラマダンを経験したことはない。
話は戻り、人生初めてのイフタール(Ihtal)に誘われた私。
ダーリンのお母様が美味しい美味しいご馳走を作って待っていてくれたけど、いつもと違うのは、テレビ番組と、ダーリンの大叔母さんの様子だ。
ダーリン一家は敬虔なイスラム教徒ではないので、ラマダン中も普通に飲食は自由。しかーーーーーし、近所に住んでいる大叔母さんは敬虔なイスラム教徒。トルコの親戚付き合いは濃厚を極め、この大叔母さん【仮名】アイシェさんは毎日2、3回ダーリンの家に来てはお茶のお時間を楽しんでいる。
そのお茶の時間に途中に彼女は退出するのである。理由は
メッカへ向かってお祈りの時間だから🤲
お祈りのことをナマズというんだけど、(やっぱりええ、あの生き物が浮かびますよね)、
『あ、じゃあ私ナマズってくるわー』
と突然、マシンガントークの真っ最中にお祈りをぶち込んでくるアイシェお姉様。
そんな敬虔なイスラム教徒なアイシェお姉様はもちのろんで断食をされる。
目の前にご馳走が並ぶ中、一日中飲まず食わずのアイシェお姉様は今か今かとイスタンブールの太陽が沈むのをお待ちになっておられるお姿が衝撃であった。
そりゃあお腹空くし喉渇いてるから、少しイライラした感じが少しあった笑
私は今回初めて知ったのだが、断食って、さすがに水は飲んでいいと思っていたんだけど、
水すらNG🆖❗️なんだって!!!!
飲んでもダメだなんて。身体に大丈夫なのだろうか?
そして私にとって一番衝撃だったのがこちらのテレビ番組!!!!!
これ、トルコのとあるテレビ番組で、生中継。トルコ国民ほとんどがこれを観ながら、今か今かとイフタールの時間を待ち侘びているのである。
今年はロックダウンだからみんな、リモートでこの番組に参加しているご様子。通常はどうなんだろう。また違った感じなのかもしれないね。来年はいつも通りのラマダンであって欲しいわ。
そんでもってよーく右中央部分の時間をご覧ください。
場所によって日没の時間が異なるので、こうして地域によって日没の時間を示しているのだ。その時間になったらその地域の人々はイフタールして良いのである。飲食解禁😄(今の断食月は夏に当たるからその分余計に待たねばならない)
この番組を見て衝撃を受けた。トルコは一応政教分離を謳っている。確かに国民のほとんどがイスラム教徒だとしても、全然気にしない人もいれば、敬虔な人もいる。他のイスラミックな国とは違う路線を歩んでいるように見えたので、いろんな人がいて、それぞれの選択を尊重していると思っていたのだ。
私の尊敬するトルコ語の先生は
『トルコの良いところは、頭にスカーフを巻いている子と巻いていない子同士が友達でいられることです』
と言った言葉が忘れられない。確かにそんな場面は普通によく見る。ダーリンのお母さんは頭にスカーフを巻いていないけど、アイシェお姉様は巻いている。その言葉がトルコの宗教観を物語っている気がした。多分イスラム教が国教の国ではそんな光景見ることはないだろうしね。
でもこうやってラマダンのためのテレビ番組を目の当たりにして、なんだかんだでイスラミックなのだなーと、この国にどんだけイスラム教が根付いているのかを肌で感じた日になったのだ。
そしてようやく日没の時間となり、全員でお祈りのポーズをとり、終わると同時に
無我夢中でご馳走をかき込む🍚
ちなみにお祈りのポーズが、日本だと手を合わせますよね🙏
こっちでは上記画像の指導者のおじさんがやっているような手のポーズをして、その後、顔を洗う時の手の所作?をする。顔を手で上から下に撫でる?なぞる?感じ。空中で顔を洗う感じ。
初めての体験。お祈りのポーズが違うなんて知らなかったー。毎日発見。
ラマダン中に困ることがもう一つ。お友達が敬虔なイスラム教徒だと、その方と日中遊ぶ時は、相手は飲めないし食べれない。もちろん自分だけ目の前で飲食できるわけもないので
自分も断食モードにならざるを得ない
ので気をつけてください⚠️笑 遊ぶときは日が暮れてからね!
私、2回ほどお友達が断食中って知らなくてこの気まずい体験をしましたが、2度とごめんだ。今まで遣ったことのないタイプの気を遣ってしまうわ😅(まあ私はお茶飲んだけどね)
この断食月が終わると4から5日間にわたるイスラム教では最大のお祭り期間になるようですが(お正月みたいな感じ)、今年はパンデミに羽交い締めにされて禁止。
お祭り好きの私にとっては拷問だった。せっかくトルコに来たのにいいいいい😮💨
来年は体験できることを祈るわ!イスラム式のお祈りでね!