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#499 「WIN at QUALITY事件」東京地裁

2019年11月13日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第499号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【WIN at QUALITY(以下、W社)事件・東京地裁判決】(2018年9月20日)

▽ <主な争点>
基本給に組み込まれた固定残業代の定めなど

1.事件の概要は?

本件は、W社の従業員であったAら2名が同社に対し、(1)時間外労働等に係る割増賃金、(2)労働基準法114条に基づく付加金などと支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<W社、AおよびBについて>

★ W社は、貨物運送取扱事業等を業とする会社である。

★ Aは、平成27年7月、W社との間で期間の定めのない雇用契約を締結し、トラック運転手として業務に従事していたが、28年12月に退職した者である。

★ Bは、24年6月頃、W社との間で期間の定めのない雇用契約を締結し、トラック運転手として従事していたが、28年5月に退職した者である。

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<時間外労働および賃金に関する雇用契約書の記載等について>

★ AとW社、Bと同社との間で締結された雇用契約書上、「就業時間」は「12時間拘束」と定められ、「時間外労働、休日労働の有無」欄には、次のとおり定められていた。
「時間外労働有
(基本給802円×8時間)
(基本給802円×1.5倍)×4時間(時間外労働)」

★ Aの雇用契約書上、賃金額について次のとおり定められていた。なお、Aの他の期間の雇用契約書、Bの雇用契約書の賃金額についても同様の記載があった。
「日給 1万3000円(日給は下記手当を含んだ金額)
時間外手当 4,812円
無事故手当 1,772円」

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