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#76 「ビル代行事件」東京地裁(再掲)

2005年2月23日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第76号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【ビル代行(以下、B社)事件・東京地裁判決】(2004年1月30日)

▽ <主な争点>
仮眠時間の労働時間性、割増賃金の請求

1.事件の概要は?

本件は、B社に警備員として勤務していた元従業員Xが、仮眠時間が労働時間にあたると主張して、B社に対し、時間外割増賃金(約80万円)等を請求したもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<Xについて>

★ Xは平成13年1月、B社との間で労働契約を締結したが、14年6月にB社を退職した者である。Xの勤務地はM生命ビル、職種は警備で、職務内容は社員通用口入出館者受付業務、来客者用玄関警備業務、館内巡回業務、宿直業務、防災センター画面監視業務、館内シャッター開閉、業務日報作成等であった。

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<警備員の勤務体制、仮眠時間の取扱い等について>

★ 上記ビルに勤務する警備員の勤務体制は6~8人体制で日勤のほか、泊まり勤務もあった。夜勤業務には常時3名の警備員が従事しており、3名がローテーションによって、1名が受付に、他の2名は仮眠(各5時間)を必ずとる体制であった。

★ 夜間警報が鳴った場合等の緊急時においては、受付業務中の1名が速やかにこれを確認し、処置する間、受付担当者が不在となるため、ローテーションにより、仮眠中の2名のうち1名が受付業務の代替をする体制となっていた。

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