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#500 「Apocalypse事件」東京地裁(再々掲)

2019年11月27日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第500号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【Apocalypse(以下、A社)事件・東京地裁判決】(2018年3月9日)

▽ <主な争点>
労働契約書等が作成されていない当事者間の労働契約内容など

1.事件の概要は?

本件は、XおよびYがA社に対し、(1)労働契約および労働基準法37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)に基づき法定時間外および深夜早朝の労働による割増賃金およびこれに対する遅延損害金ならびに(2)労働基準法114条に基づく付加金およびこれに対する遅延損害金の支払を求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<A社、XおよびYについて>

★ A社は、飲食営業等を営む会社であり、東京都内において、平成28年11月25日頃、そば居酒屋(以下「本件店舗」という)を新規開店した。

★ XおよびYは、いずれもA社と期間の定めのない労働契約を締結し、28年11月12日から本件店舗新規開店準備業務に従事し、開店後は調理スタッフの業務に従事して、29年1月22日まで勤務していた者である。

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<Xらの採用に至った経緯、賃金の支払状況等について>

★ A社は本件店舗の調理スタッフを「月給25万円~40万円」「※年齢・経験・能力などを考慮の上、給与額を決定します」「9:00~23:00(実働8時間/シフト制)」「4週6休」などの条件で募集し、Xらはこの労働条件を見て応募し、採用された。

★ XらとA社との間では、労働契約書、労働条件通知書その他の労働条件の内容を明確に示す書面は作成されていない。28年10月、A社はYに賃金について「税引き前の総支給額で340000円を考えております」とメールで提示していたが、「総支給額」が残業代を含めた額とは説明せず、また同社はXらに想定される残業時間を説明したことはなかった。

★ A社はXおよびYにそれぞれ残業代を含めて月40万円と月34万円を支給しようとしていることを伝えないまま、賃金を決定した。同社はXらに対し各給与明細書において、毎月の給与を基本給、家族手当、技能手当、皆勤手当、定額残業手当、普通残業手当、深夜残業手当、休日勤務手当、食事手当等に区分して支払った。

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