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大学編入試験について

 私は、高校卒業後、2年間のフリーター期間を経て大学編入ができる専門学校に進学した。そこでは、1学年4クラスあり学力別で振り分けられていた。当然私は一番下のクラスであった。
 しかし、私立大学は学費が高いので国公立に進学したかったこともあり、それなりに勉強した。

 1年後には一番上のクラスにギリギリで入ることができた。嬉しかった。しかし、授業のレベルが今までのクラスと段違いであった。冷や汗が出た(笑)
「世の中にはこんなにできる奴がいるのか」と感心した。僕は一番上のクラスの皆をライバルというよりも、社会に出たらこんな出来る人たちと戦わないフィールドで仕事をしようと思った。かなうわけがない。この時の出来事は僕の記憶に強烈に刻まれた。
 
 結果、国立大学は落ちたが、地方の公立大学に無事編入することができた。嬉しかったというよりもほっとした。

 大学編入後は、一般入試組のレベルの高さに圧倒された。私が進学した大学は国立落ちで仕方なく進学した人も多かった。その人達は、私からすると謎の数学の計算問題をスラスラ解いていった。数学の授業がゼミの教授であったこともありマンツーマンで教えてもらいながらなんとか単位を取得した。成績は「可」であった(笑)

 一方、社会に出るとパソコンが使えないおじさんや簡単な英単語が理解できない同僚、決算書の貸借対照表や損益計算書の存在を知らない人など、自分が知っていたり出来ることは他者も同じではないことに気が付いた。それまでの私は自分が知っていることは他者も知っていて当然だと思っていた。基本的に誰かに追いつくことに夢中だったので、自分より知識がなかったり、勉強ができない人の存在を自分の世界から消していたことに気が付いた。

 結論、大学編入を通して確かに新しい知識は増えたが、自頭や本来の能力があがったような感覚はない。まぁ、しいて言えば自信がついたことぐらいだろうか。私にとっては、自分の当たり前を底上げするという面では、大学編入は大変有意義な経験であったことは間違いない。


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