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pensées nocturnes


夜は本当に長い

長くて
冷たい

辛辣な言葉の様に

淡々と
でも
着実に
わたしを
囲う


瑪瑙の空を仰いで
唇を舐めれば
夜風が染みる

急速に乾きゆく
開いたままの口元

あのひとを探して
呼び続ける
名前


さみしくはない

束の間
わたしの思考は
逃避して
別のことを考える

星の数
月の色
空の果て
海の底

知らなくていいことが
殆どだけど
わたしは全てを
暴きたい

心を露わに
夜気を吸いこむ


花塵降りて
己を喪い
ひとつひとつを追うなれば
擦りむいた膝など気に留めず
あのひとへの標を
ひた拾い集める

行き着く先は

光か
宵か


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