仰ぐ度
目の奥が痛む
貴女は
いつも
澄みきっている
から
曇り在れど
また晴れゆく
凍てつく冬も
灼けるような夏 も
言葉を交わす
訳などなく
ぼくは唯
見上げること しか
空に浮かぶ雲に
何か
を見いだそうとしても
尚
虚しく成る
だけで
繋がりたい
と
願い乍ら
届かぬ訳
を
知っていて
伸ばした手が
空を切るのも
貴女のせいでは
決してないのに
ぼくは
貴女の傍へは行けない
憂う 度
心を失って
思っても
成ることはなく
ぼくが
この地を
自らで赤く
染めたとしても
貴女は
泣きもしないだろう
ぼくが
この心を
是から先
凍えさせることが在ったとして
誰も
溶かしてはくれないだろう
ならば
散るならば
貴女を仰いで
ぼくの欠片は
海の底へ
ずっと遠く
誰からも見えぬ場所
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