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小説まとめ

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【掌編】浄玻璃鏡

【掌編】浄玻璃鏡

静かな夜、とある研究室で。

もはや何も言わぬ物体となった骸を踏みつけてから、白根は我に返った。

(しまった……つい、かっとなっちまった)

だが、それもこれも能天気に「あと三日後に来てくれよ」などと言い放った黒野が悪い、と思い直す。

(幼なじみの友人だと思って、あいつ、好き放題に無心しやがって。俺がどれだけの資金をつぎ込んだか分かって……!)

幸い、急な深夜の呼び出しだった。

白根がここ

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