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ミスチルのライブに行ったら数曲しか聴けなくて、2歳の長男と東京ドームをダッシュしていた

オープニングから圧倒された。

Mr.Childrenの30周年ライブ。これまでの歴史を感じて、自分の人生とミスチルの楽曲が重なって、じんわりときました。

ホントに最高でした。5、6曲目までは…。


2歳の息子がジタバタしだしたんです。妻と息子の3人で来ていて、親子席でひざ抱っこして見ていたんですね。

はじめは、息子はステージのほうをジッと見ていて、曲終わりでは拍手までしていました。これはいけるのではないか?このまま、ライブを満喫できるかもしれない。

しかし無理でした。
淡い期待は見事に打ち砕かれました。

息子はバタバタと足を動かして、ひざ抱っこから脱出しようとして、「キーーーッ」という声が響き渡ります。

30周年という節目、コロナを経てのミスチルのライブです。桜井さんの熱唱に、会場が一体化している。この空間はとても貴重でとても大切なもの。

ダメだ、邪魔しちゃいけない。
息子を抱えて、身を低くしながら、会場の外へ移動しました。

外に出た息子は、周りをキョロキョロしています。このときはまだ、なんとか早く戻れないか、と思っていました。いまこうしている瞬間も、ミスチルの思い出深い曲が流れている。この目に焼きつけたい、ライブを体感したい、という気持ちでした。

しかし息子は、テクテク歩き出そうとする。「戻らない?戻ろうよ」と言っても、息子は「キーー、キーー」と言って向こうを指差します。「戻ったらお菓子があるよ、ジュースもあるかも」と言っても、こちらを見ようとしません。

徹底抗戦か…

桜井さんが歌ってるんだぞ今ここで、ママだって1人じゃさみしいだろ、とイライラが増していく。

いや、いかん、これはいかん。わかってはいた。そんな2、3時間もじっと座ってなんかいられない。親の思うとおりになんていかない。思い通りになるわけない。だから気持ちを切り替えました。


東京ドームを探検だ、と。


そして、息子は走り出しました!

ひと気がなくて、売店も閉まっていて、とにかく道幅が広い。だだっ広い!

息子はキャーっと笑いながら、どんどん進んでいきます。

階段も駆け上がる!そして駆け降りる!

なんという巨大な空間なんだ、東京ドーム。

そうこうしているうちに、息子に遊び友だちができていました。

意気投合しすぎじゃない?

向こうもパパさんが連れていて、「何歳ですか?」と声をかけてくれました。親子席で観ていたけど、外に出てきてしまったそうです。おだやかな顔で、「なかなか難しいですよね」と言ってくれた。

さらに時間が経つにつれて、小さい子がチラホラ増えてきて、子連れだらけの空間に。息子も、いっしょになって遊んでいました。汗だくになりながら。

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東京ドームを駆け巡っているあいだも、もちろん桜井さんの歌声や、ドラム、ギター、ベースの重低音は鳴り響いていました。

ライブを観たとは言えないけど、今ここで、桜井さんが歌っているのは事実。そしてバンドが演奏してくれているのも事実。

ミスチルの生演奏をバックに、息子を追いかけたこと。これはこれで贅沢な時間かもしれない。

ずっとテンションが高いままだったので、疲れたのでしょう、息子は抱っこをせがんできて、ようやく会場へ。

会場に入った瞬間、ライブの熱気に包まれ、歌っていた曲は、僕がミスチルで一番好きな曲でした。そして、妻と息子と3人いっしょに、アンコールまでを聴くことができました。

息子にとってはどんな1日だったんだろう?最高の楽しい1日になったのかもしれない。
広い空間を探検して、友だちともたくさん遊んで、汗だくになって。

ヘトヘトになったけど、自分にとっても間違いなく記憶に刻まれる1日になりました。これもまた貴重な体験だと思うのと、いつか息子が大きくなったら、初めてのライブはミスチルだったんだよ、と伝えたいと思うのです。

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