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夏のさなぎ

空調の温度設定が去年の夏のままだった。

僕の家は風通しが悪くて嫌な熱気がこもりやすい。特に今年は梅雨入り前から酷く暑くて1分と経たず汗が吹き出してくる。
部屋で何をするにしても落ち着かない。
最近、体の奥深くから茹でられるような気分にとうとう耐えかねて空調を一瞬だけ動かしてみた。

生ぬるい風が顔を煽る。
そこには間違いなく天国への入り口があった。

けど、やっぱり負けたような気がしてやめた。
何が勝ちで何が負けとかはないのだけれど、なんとなく6月はまだ夏とは呼べなくて、空調に頼り過ごすのは勿体無い気がした。
それに、本格的に夏が訪れた時に空調だけでは満足いかない体に育ってしまうのが怖い。

だから、今はまだうちわで我慢しようと思う。
夏がさなぎである間はそれに見合うの楽しみ方や過ごし方がきっとある。
クーラーはもうしばらく先のお楽しみにとっておこう。
そうだ、そうしよう。


今年は5月から印象的な大雨が相次いだ。
それにも関わらず、東京が梅雨入りしたのは6月21日だったらしい。
そんな馬鹿な話があるかと思った。
梅雨入りの定義を調べたことはないけれど、いっぱい雨が降ったらそれはもう梅雨だよと言いたい。
というか、そうじゃないと納得がいかない。

僕らは何故かスタジオ練習日に雨に見舞われることが多く、だからこそ「この梅雨を乗り切れば...!」と我慢して通っていたのに、まだ梅雨入りすらしていなかったなんてまったく酷い話じゃないか。

それしても、人間の原材料の大半は水なのに雨を嫌がるというのはおかしな話だなと思う。
原材料その他の部分の拒否反応が強い。


今年は夏野菜をたくさん食べたい。
それはもうモリモリと食べたい。

茄子はおひたしにするのが好きだが、味噌汁に入れるのも捨てがたい。
きゅうりやトマトをざっくり切ってそのまま食べるのも好きだ。

でも、今はゴーヤがいい。
暑い時に身体が苦味を求めるのはどういう理屈なのだろう。
少しばかり考えてみたけれど、考えるほど食欲に脳が支配されていく。ゴーヤとビールに飾られたテーブルしか画をイメージできなくなってしまう。
食を前にして人間は無力だ。

そういえば、ゴーヤを使ったレシピってゴーヤチャンプルー以外に何があるのかいまいちピンとこない。
もちろんゴーヤチャンプルーも大好きなのだけれど、今は身体が暑くならないものが食べたい。

いくつかレシピを調べてみると「無限ゴーヤ」なるものにたどり着いた。モリモリ食べたい僕にぴったりメニューじゃないか。
どうやら、醤油・ごま油・炒り胡麻・かつお節を使った和風アレンジらしい。ダイレクトにゴーヤを感じれそうでとてもいい。

今年は「無限ゴーヤ」でゴーヤに浸ろう。

皆さんもおすすめのゴーヤアレンジレシピがあったら是非コメント欄で教えてください。

それではまた。

LEEVELLES 髙木皓平

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