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初めてブランコに乗れた❣ 自閉症の子供の感覚遊び

 3歳の娘は今までずっとブランコが苦手。乗っても揺れると必ず抜け出しました。嫌いならいいか、と放置していた私。「多分ね、好きだと思うよ」と作業療法士さん。いざ、療育の時間に公園へ。

◆苦手な遊びを「好き」と見立てた理由

 自閉症スペクトラムの子供で、特定の遊具や遊び方を避ける子供は多くいると思います。その遊びによってもたらされる感覚に対し過敏な場合、強すぎる刺激に不安を感じるのです。娘はブランコが苦手でした。ブランコだけだったら、何かのトラウマで出来なくなったのか、ということも考えました。記憶力のいい自閉症の子には、これもありがちなことです。しかし、シーソーやハンモックも娘の避ける遊具でした。そこで、私はブランコのような揺れが苦手なのが、娘の感覚特性なのかと思っていました。
 同時に、娘は活動性が非常に高いです。トランポリンが大好きで、走り回ったり飛び降りたり、逆さになったり、長い滑り台もお手の物。そこで、作業療法士さんは、一連の観察のあと、前庭覚に関しては、感じ取る力が逆に弱くて、感覚刺激を強く求めているように思えるから、ブランコも恐らく好きだと思う、と判断しました。
 ではなぜ今まで乗れなかったか。作業療法士さんの分析では、
 ◎新しい感覚が急に入ってくるのが不安
 ◎本当に安全かどうかが不安
 つまり、娘の「何に関しても常に慎重、危ないことはしない」という個性が、感覚探究心や好奇心より勝っていたようです。

◆ブランコ遊びの効果

 自閉症の子供、と一口で言っても、スペクトラムなので幅があります。娘のように、感覚探究が強く、くるくる回ったりジャンプしたり、回転や揺れが好きなタイプの場合(前庭覚を感じ取る力が弱く刺激を求めるタイプ)には、ブランコ遊びもオススメなのだとわかりました。教えて貰った遊びの効果は、以下。
 ◎身体のバランスや姿勢を整える
 ◎うまく自分で感覚を掴む訓練になる
 ◎求める刺激を満たしてあげることができる

◆不安のある遊びを導入するにはコツがいる

 私と遊んだ時には抜け出ていたブランコも、作業療法士さんと遊んだ30分の間に、小さくゆーらゆーら揺られながら、笑顔まで見られるように!改めて、プロの方に尊敬の念。遊び方を観察していると、次のようなコツが見えてきました。

◎あらかじめルールを浸透させておく
 ブランコに乗る前、他の好きな遊びで、10数えるまで行う、というパターンを浸透させていました。そのため、ブランコの時も、とりあえず10数えるまではじっと我慢していました。口で、10数えるまで頑張ろう、と説明するだけではなく、あらかじめ体に覚えさせていたのが印象的でした。
◎ぎゅっとおさえて安心感を抱かせる
 不安な時は前かがみになりがち。そこで、おなかと背中両側から身体をおさえて、安心感を与えていました。軽く支えるのではなく、ぎゅっとおさえてあげる方が安心感が増します。ブランコのみならず、不安な遊びすべてに共通するコツです。
最初は揺らさず、少しずつ高く
 最初は揺らさず10秒。それから少しずつ揺らす。チャレンジは一回に一度だけ。他の好きな遊びを存分に混ぜながらまた誘って、少しずつ少しずつ負荷をかけていきます。
報酬と組み合わせて誘う。無理強いはせず
 気が乗らない時には無理強いはさせず。それでもずっと避けているとチャレンジができないので、子供の好きな遊びがわかったら、それを報酬にして誘います。娘は先の見通しが立てば意欲がわくので、効果的です。

 「自信がつけば、楽しく遊べるもの、他にも増えていきそうだよ!」とは、作業療法士さんから頂いた言葉。ロックダウンも少しずつ緩和されてきた今日この頃、学んだコツをいかしながら、積極的に子供と公園に出かけたいと思います。好きな遊具がまた一つ増えてくれたらいいな~!

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