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子供のお絵かきから発育を知るヒント

作業療法士さんと取り組んでいる、自閉症スペクトラム障害の療育には、お絵かきも含まれます。3歳の娘は塗り絵が好き。お絵かきも好きなほうかもしれませんが、自分の理想があるようで、失敗することを嫌うため、自発的にはあまり絵を描こうとしません。私もあえて、具体的な物を描かせようとはせず、好きに画材で遊ばせる程度でした。

ですが、先日の療育にて、人の絵を描いてみようね、と促され、娘も覚悟を決めて(?)人の絵を描き始めました。見出し画像はこの時のものです。実は、この人の絵を描くというタスクには、指示に従うという訓練の他、子供がどのくらい自分の身体に対する認識を持っているか、という「ボディーイメージ」の指標になるそうです。

顔だけしか描かない場合、まだ自分に体や手足があることの客観的認識が発達していない。顔から手足が出るようになると、四肢の認識の発達が伺えるけれども、身体に対する自意識はまだそこまで発達していない。胴体も描けるようになると、体全体の認識が育ってきたことが伺えるそうです。逆に、まだ手足しか描かない場合、胴体も描くよう促すことで、認識を促す効果も期待できるのです。

胴体、いわば「おなか」の自己認識を高めるには腹筋運動も効果的ということで、作業療法士さんから教わったエクセサイズをおうち療育に取り入れています。まず、私が椅子に座り、子供を自分の上に乗せて向かい合う。それから手首を持って、子供の身体をゆっくり倒し、それから腹筋を使って抱っこの位置まで起き上がってもらうというものです。じゃれ合いみたいなものなので、娘も喜んで運動してくれます。

身体に関する認識の発達は、どう身体を自分の思った通りに動かすかがわかることにも繋がること、作業療法士さんより丁寧に教えていただけました。より端的に表現すると、ボディイメージの発達が器用さに繋がる、ということになります。自閉症スペクトラム障害には様々な感覚特性がありますが、それぞれの感覚特性に、色々なアプローチがあるのだなと勉強になりました。

昨日、お絵かきを誘ってみたら、「マミー」と言いながら私を描いてくれました。

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このとき、最初は体を描いていなかったのですが、「マミーおなかもあるよ」と言ったら、隙間に付け足してくれました。

娘が描いてくれた絵のように、「マミー」には笑顔のイメージも持って育ってくれたら嬉しいです。療育のために、それとなく指示を出すお絵かきと、自由自在に遊ぶお絵かきと、適当に組み合わせながら、ゆるく取り組んでいきたいと思います。

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