あなたは悪い報告をしていますか?

あなたは会社で

うまくいかなかったこと
自分の失敗
悪い出来事

を上司に報告していますか?

こう、問われると

う~~む、必ず報告しているとは言えないな。

という方も多いのではないでしょうか?


☆☆☆


さて、セブンイレブンで残業代が未払いになっていた、というニュースが流れました。言語道断ですね。未払いのものに関しては早急に支払いをして欲しいものです。


私が、このニュースで注目したのは2001年にも指摘があったが、支払いも公表もされていなかった、ということです。

18年前に、分かっていたのに隠していたということです。

会社は、会社法上、株主に責任を負っています。会社の経営者は会社の経営状態を株主に報告しなければなりません。


会社員では上司は課長や部長ですが経営者は株主が「上司」のようなものです。株主から、その手腕を見込まれて経営を任されているのが経営者
だからです。

法的には委任契約になります。ある種の業務委託契約ですね。株主が会社の経営を取締役などに委託しているのです。業務委託契約では、進捗状況を報告するのが普通です。

会社の経営者は、株主に経営の進捗状況、つまり、良いこと、悪いこと両方とも報告しなければなりません。株主総会はそのための場です。


また、営業報告書、有価証券報告書、適時開示などはそのためのツールとして制度化されています。


セブンイレブンの当時の経営者はこれを怠って
いたということになります。

自分たちの失敗、悪いこと

を上司である株主に報告しなかったのです。

そのときに報告し、改善していれば今ニュースになることもなかったでしょう。

悪いことを報告したくない・・・

気持ちとしては、良く分かります。

誰でも自分の失敗や、恥ずかしいことを他人に知られたくないという気持ちがあります。

できれば、いいカッコしたい。
できない奴と思われたくない。
嫌われたくない・・・。


しかし、一生懸命やった結果としての失敗は誰にでもあることです。そして、その原因を探っていくと自分に足りないものが見えてきます。


☆☆☆


私が司法試験の受験生時代、刑事訴訟法の成績が伸び悩んだ時期があります。

刑事訴訟法は好きでした。好きなのになんで点が伸びないのだろう。原因が分からなかった私は、あるとき、勇気をふるって10歳以上年下の後輩で優秀な受験生に、私の書いた答案を見せてアドバイスを求めたことがあります。


とっても恥ずかしかったのを覚えています。出来の悪い答案を後輩に見せるなんて・・・。ドキドキしながら話しを切り出したのを覚えています。


彼は「簡単です。知識を書き過ぎています。知識を書き連ねるのをやめて、ロジックを骨太に分かりやすく書けば大丈夫です」と言ってくれました。


好きなので、知識はあります。その知識を書きたいように書いてしまう答案になっていたのです。出題者の求める答案になっていなかったのです。それが点数の伸びない原因でした。

原因が分かれば、改善できます。その後は点数が安定し、常に得点源でした。

皆さんも、同じような経験があるのではないでしょうか?


失敗やカッコ悪いことを公にし、改善していくことは、前に進むために絶対に必要なのです。


☆☆☆


今年大活躍した女子プロゴルフの渋野日向子プロ。彼女の活躍はコーチである青木翔氏の存在なくしては語れません。

その青木氏は

「失敗は大ゴケにつながりますが、自分に足りないものが一目瞭然になります。」
(週刊ゴルフダイジェスト12月24日号P13 メジャーチャンプコーチ青木翔笑顔のレシピ)

と語っています。


☆☆☆


そして、今話題のビジネス書である1兆ドルコーチの中に、はこんな逸話が出てきます。

『グーグルの取締役会では、ビルは業務報告に詳細な「ハイライト」と「ローライト」を含めるよういつもエリックに勧めた。「これがうまくいったことや満足できること」で、「これがあまりうまくいかなかったことだ」という報告だ。』

(エリック・シュミット他著 櫻井祐子訳 「1兆ドルコーチ」 P122)

ビルというのは、アップル、グーグルなどシリコンバレーの企業の隆盛をもたらした陰の立役者と言われているビル・キャンベルのことです。エリックは、グーグルCEOのエリック・シュミットです。

ビルは必ず悪いことを報告させてはどうかと提案し、エリックはこれに従ったのです。しかも、エリックはローライトの報告案を率直さが足りないと突き返すこともしばしばだったとか。


日本の企業でここまでやっている会社があるのでしょうか?


下からの報告に悪いことを必ず含めていたグーグルは、それを分析し大きな失敗になる前に、改善することができていたのではないでしょうか?


そして、部下が悪いこと、失敗を率直に報告するためには、それを聞く上司の心構えが実は一番大切です。


今日は、だいぶ長くなったので、これに関してはまたの機会に書きたいと思います。

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