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31年後にもマリノスを応援していたいと思った日

Jリーグの歴史とこの試合の背景について

※この試合はかなり世間の注目を集めていると感じたため、この試合の背景、Jリーグの歴史等にも触れています。わかる方は飛ばしてください。


あなたは31年前何をしていましたか?
私は生まれていない。生まれていた方に質問したい。
31年の間にあなたが予想していなかったこと、あなたが大きく世の中が変わったなあと感じた出来事は何であろうか?私は生まれていないが世の中が大きく変わったことの一つはスポーツの発展ではないかと思う。
31年前10チームによって開幕したJリーグは31年の時間をかけてチームの数を6倍の60に増やした。そして、昇降格の制度ができ、J1~J3のカテゴリーに20チームずつが属している。
そんなJリーグはヴェルディ川崎と横浜マリノスの試合から始まった。
試合はマリノスが2ー1で逆転勝利。
そんな試合から30年後 マリノスは横浜F・マリノスへ、ヴェルディは東京ヴェルディへとチーム名が変わりそれぞれの歴史を紡いできた。
マリノスはJ1から降格をしなかったが、ウェルディは昇降格を繰り返した。しかし2023シーズンにプレーオフを勝ち抜き、2024シーズンJ1に帰ってきた。そして31年前の開幕カードは2024シーズンに再び再現されることになる。

VS東京ヴェルディ(試合前)

2023年のプレーオフ 正直私は清水に上がってきて欲しかった。
理由は簡単で、私の家から簡単に行ける遠征先だからというそれだけ。
しかし上がってきたのはヴェルディ。遠征一ついけないなあ…
なんて思っていた。
日程が発表されるとちょっとだけ、いけそうな気がしてきたので、参戦を決め、仲良くしてくれている友人たちとチケットを取った。
2024年2月25日、夜行バスに乗り東京へ向かい、国立競技場駅に着いたとき、鮮やかな緑とトリコロールを身にまとう人たちがたくさん見られたことで、いよいよ開幕なんだなあと感じ、ワクワクが抑えられず駅の階段を駆け上った。国立競技場に来るのは初めてで、他のスタジアムに行くよりワクワクしていたんだと思う。
まず歩いていると、マスコットたちが歩いているところに遭遇した。
左に写っているのはマリノスケ。永遠の小学5年生である。
ほかにも、マリン、マリノス君、リヴェルンが一緒に来場した観客に癒しを与えていた。

マリノスケありがと!

そしてグッズショップに並ぶ。雨が降っているのにもかかわらず、長蛇の列ができていた。かなり長い時間並び、友人たちの分を購入。この長蛇の列から本当にこの試合の注目度が高いことが分かった。
そして友人たちと合流すると、偶然目の前でキックオフ!!・Fマリノスのインタビューが行われていたり、たぶんではあるがJリーグタイムのインタビュ写真左われていたりした。目の前にはあの波戸さん(写真右)と小山さん(写真左)がいらっしゃったので、思わず写真をお願いした。
小山さんは、昨年の試合でもけれど、偉大なるキクマリ司会者のお二人に挟まれた結果私の指のポーズはかなり変になってしまった。お二人ともオーラあったし、とても優しい方だった。だからこそ、キクマリを見て視聴率を上げて、番組を楽しむ。それができるテレビ神奈川放映地域にいないことがとても悔しいと感じる。

波戸さん、小山さんありがとうございました!

試合が始まる前に、選手たちはアップをする。アップの前からゴール裏は声を張り上げ、雰囲気を作る。
そんな声を張り上げる前に応援を仕切る方からこんなお話があった。

私はこのお話を聞いて、すごく燃え上がった。たとえ今、J1から降格したことがなくても、アジアチャンピオンズリーグ(以降ACL)でベスト4になったとしても、31年後の将来が保証されているわけではないということ。
だからこそ、将来の自分のため、将来マリノスにかかわるすべての人のため、そして、同じ時間を共有するすべての人のため勝たなければならない試合であることを理解し、いつも以上に本気で応援しよう!と決心した。
初代チェアマンの川淵三郎さんの感動的なスピーチによりさらに将来のために今日頑張る! と強い思いを持った。
試合開始前からマリノス側も、ヴェルディ側もかなり盛り上がっている。今日まで続くJリーグの歴史の1ページ目を刻んだ緑とトリコロールが31年前と同じようにそれぞれのプライドをかけて戦う。31年前と同じ国立競技場で53026人の観客に見守られながら戦いは始まった。

スタメン

マリノスGKポープ、DF渡邊泰、エドゥアルド、上島、松原、MF喜田、山根、渡辺皓、FWエウベル、ロペス、水沼
サブ 白坂、加藤、天野、ナム、ヤン、植中、宮市
ヴェルディGKマテウス、DF翁長、谷口、林、稲見、MF斎藤、見木、山田楓喜、FW染野、木村
サブ 長沢、深澤、山越、綱島、山見、河村、山田剛


VS東京ヴェルディ(試合中)

試合が始まった。主導権を握ったのはホームのヴェルディだった。前半7分U23の日本代表に選ばれていて、パリ五輪でも活躍が期待される山田楓喜の左足から放たれたフリーキックがゴール左に決まり先制を許した。

マジかよ… この言葉で十分である。
確かにフリーキックを与えたときに嫌な予感がした。狙える位置ではあったけれどまさか入るとは…
31年前と同じように先制を許す。
いきなりビハインドになってしまったが試合は続く。
私自身が野球少年だった中学生時代の指導者に言われたことがある。
強いチームは最後の最後に見せ場を作ったり、逆転する。
確かにマリノスも昨年宮市が試合終了間際に劇的勝ち越し弾を叩き込んでいる。まだまだこんなところで諦めるわけにはいかないのだ。
しかし、現状はなかなか好転しない。何度も何度もマリノスGKポープがセーブして耐えているが、ビルドアップを引っかけられる。上島のライン上の神クリアにも助けられ、前半は1失点に抑えることができた。
しかし攻撃はなかなか嚙み合わない。特に嫌だったのはエウベルの対面の稲見である。稲見は本来中盤と聞いて驚いた。昨年J2でベストイレブンを獲得した宮原がいないからちょっとラッキーと思っていた過去の私を殺してあげたい。
何とかしてくれ。
それしか言えなかった。
そんな願いを持った私は期待と不安を持ち後半を迎えた。
後半からマリノスが動く。
後半11分マリノスは水沼に代えてヤン、喜田に代えて宮市を投入。
個人的にはこの交代がとても刺さったなと思う。見るからにチャンスシーンが増えた。そして後半16分エウベル、ヤン、渡辺皓とつなぎ宮市がネットを揺らす。しかしオフサイド…
えー…
と思ったがそんな気持ちはすぐに切り替えなければならない。
ヴェルディは、斎藤に代えて河村、先制ゴールの山田楓喜に代えて山見を投入。
そして後半18分山根、ロペス、エウベル、ヤン、松原と繋ぎクロスに再び宮市。
これは宮市が届かなかった。
しかし間違いなく押しているという感覚は私も感じていた。
そしてワクワクも感じていた。マリノスの攻撃時に一番ワクワクが高まる瞬間の一つがボランチの選手が前を向いてボールを運んでいるとき。そのワクワクが今日はより強かった。
後半27分にはヴェルディが木村に代えて、山田剛をマリノスが渡辺皓に代えて、ナム、エウベルに代え、天野を投入。
さらに後半36分には山根に代えて、植中を投入。
時間が経つにつれて、マリノスはより攻撃的になっていった。
宮市が何度も左サイドの突破を試みコーナーキックを獲得。
しかし得点には結びつかない。
少しの焦りと心配と、期待の感情が入り混じりながらも攻撃陣を信じて声援を送っていた後半41分遂に攻撃が実を結ぶ。松原のスローインを植中がポストプレーでナムへ、ナムのクロスははじき返されるもナムは拾ってもう一度クロスを上げるとボールは逆サイドの渡邊泰に、渡邊泰はクロスを上げるとこれがハンドを誘う。
やはり攻め続けることは大事だなと感じつつ、PK獲得をすごく喜んだ。
キッカーのロペスはどんな時でもPKを決めてくれる頼れるストライカーである。
決めてくれ!
その一心で手を顔の前で手を組みながら応援を続けた。
ロペスは左斜め後ろから助走を取りキーパーの右側をグラウンダーで打ち抜いた。
大きすぎる得点だ。試合終盤の同点弾ほどチームとサポーター、会場の雰囲気を復活させるものはない。明らかにマリノスは勢いを取り戻した。
そんな雰囲気だともはや来るべき瞬間だったのかもしれない。
後半47分(アディショナルタイム2分)エドゥアルドがラフに蹴ったボールのクリアを松原が拾い右サイドのヤンへ。縦に勝負を仕掛け、エリア内に侵入した松原へ。松原は左足を振りぬくとキーパーの右側を打ち抜いた。
ゴラッソ。
確かに31年前の試合ではマリノスは後半に2得点で逆転勝ちをしているとはいえ、あまりにもその展開は映画すぎる。
映画にしてもできすぎかもしれない。
彼はACLのラウンド16の第一戦の試合終了間際に危険なスライディングタックルをして一発退場。ACLでは2試合の出場停止が言い渡され責任を感じていたのだろう。だったとしても責任の取り方がかっこよすぎるのだ。
叫んだ。
ある日の朝のラビットで、さらば青春の光の森田がフラワーカンパニーズの深夜高速を熱唱していたことが脳裏によぎった。
生きててよかった そんな夜を見つけたよ
私の感情にマッチしすぎていた。
来てよかった!生きててよかった!マリサポでよかった!
そんな感情にさせてくれた。
ゴール裏に走ってきた選手たちの中には胸のエンブレムを何度も叩く選手もいた。
そんな姿を見て私も熱くなり、ヴェルディのキックオフで再開してからはエンブレムを握って最後の気力を振り絞りながら飛び跳ね、声を張り上げ、勝利の笛を聞いた。

この試合を終えて考えたこと

これで私は現地5勝目。
これまでで一番うれしかった。勝利したという事実が31年後も揺るがないことに安心したことを覚えている。
試合後私は様々なことを考えていた。
31年後の未来についてだ。
私は51歳になっている。保証はない。
父親になっているのか、独身なのか。
そもそも生きているのだろうか。
そんなことはわからない。
しかし、31年後にもマリノスをどんな形になっているかはわからないが応援したいと感じた。
そして、この歴史的な一戦を観戦した私が一つ確信していることがある。
このカードはきっと将来も注目を集める日が来るということである。
その時に私が生きているかはわからない。
でも生きていたらこのnoteを見せるか、写真を見せながら私が目にしたものを語りたいと思っている。
ヴェルディとまた、熱い戦いをしたい。そして今年こそテレビやDAZNではなく、現地で優勝の瞬間を見たい。次来るときは来年の世界陸上で友人とともに訪れるのかな。そんなことを思いながら祝勝会へと向かった。


長々と書いていきましたが、読んでいただきありがとうございました。
次回は京都遠征について書きますので、また読んでいただけると嬉しいです。

紹介します 私のラッキーアイテムの尊敬している方のぬいぐるみです笑




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