レデラジ♯15Tenといっちーが語る 認知特性による情報の受け取り方の違い
「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくるをミッションに活動するLedesone(レデソン)のショートラジオ番組「レデラジ」。
今回は、一緒に活動しているいっちーさんと、毎月1回のテーマとして「認知の多様性」についてお話ししていきます。
レデラジはnoteではテキストとしてSpotifyでは、音声で楽しむことができます。
Ten
「1人1人が過ごしやすい社会をともに作る」をミッションに活動する、Ledesoneのショートラジオ番組『レデラジ』、モデレーターのTenです。
今回は、一緒に活動しているいっちーさんと、毎月1回テーマとして話している「認知の多様性シリーズ」でお話ししていきたいと思います。
いっちーさん、今回もよろしくお願いします。
いっちー
はい、よろしくお願いいたします。
情報の受け取り方の違い
Ten
情報の受け取り方の違いについて、最近感じたことがあって。
自分の情報の出し方の量が少ないのか、相手が受け取りたい情報の量が違うのかが、わからないことがあります。それで、「そんなこと聞いてないよ」とか「え、それ、言ったつもりだったんだけど…」ということがよく起こるんですよね。
例えば、仕事で進め方を変えた場合、僕は「こういう理由でやり方を変えたよ」って説明したつもりでも、相手には伝わっていなくて、「そんなこと聞いてないんだけど」みたいな感じになることがよくあります。
自分では説明したつもりでも、相手にとっては十分な説明じゃなかったのかな、と考えることが多いです。
こういう場面で、お互いに違和感が生じることがあるんですよね。
説明の量が、自分が思っているのと、相手が求めているのとでズレているのかもしれません。
特に、ASDの特性を持つ人と一緒に仕事をする時にこういうことが多いように感じます。
例えば、ASDの特性を持つ人は、情報をしっかり整理したり、準備が整わないと進められないことが多いです。
一方で、ADHDの特性を持つ人は、いろんな情報をポンポンと出して進めていくことが多いので、その違いがコミュニケーションに影響しているのかなと感じます。
いっちー
そうですね。特に、ASDやADHDの特性を持つ人だと、情報の整理や受け取り方に違いが出てきますよね。
以前、同じ特性を持っていると思っていた方と話をした時、彼が困っていることが僕とは全然違っていて驚いたことがありました。
自分の困りごとが他の人とは全く違うということに気づかされて、すごくびっくりしたんです。
同じADHDやASDの特性を持っていても、全く違うことに困っているということがよくありますね。
例えばASDの特性だと場面が急に変わることが苦手であったり、、ADHDの特性だと、あまり深く考えずに物事を進めてしまうといったことなど。
同じ情報に触れるとしても、その受け止め方が違うんだろうなと思うことがありますね。
学習の方法とAIの活用
Ten
なるほど。ADHDの特性を持つ人とASDの特性を持つ人で、インプットの仕方や学習の仕方が、そもそも仕組みとして違うということもあるんでしょうか。
いっちー
そうですね。
最近、その点ですごく面白いと思った研究がありました。
それは、ADHDの特性を持つ人たちを対象に行った仮想環境を使った実験で、Minecraftを使って、「新しい環境」を探索する場合と、「既存の環境」を探索する場合で、記憶の定着に違いが見られたというものです。
ADHDの特性を持っている人たちは、新しい環境を探索した方が記憶の定着に優位性がみられたのに対し、ADHD特性のないの人たちで行った場合では、その優位性が見られなかったというのです。
この研究は、ADHDの特性を持っている人たちが、いわゆる「普通」とされる学習環境ではなく、新しい刺激がある環境の方が記憶の定着が良いということを示しているんです。
この研究が示す通り、学習の方法も一律ではなく、その人に合った方法を見つけることが重要だと感じます。
今後、AIの技術が進化すれば、より個々に合わせた学習環境が作れるようになると思います。
現在は一律の環境で学ぶことが多いと思いますが、今後はその子の適正に合った教材をその子に適切な形で作成するなど、個別のニーズに応じた学習環境を提供することも不可能ではありません。
Ten
確かに、その部分はどんどん変わってきていますよね。
いわゆるインクルーシブ教育もそうですし、うちのミッションである「1人1人が過ごしやすい社会を共に作る」という考えも、誰もが同じ方法でやるのではなく、1人1人に合ったやり方を模索していくことが非常に重要だと思います。
そういった視点で、学習の仕方や働き方、さらには環境の整備を進めていくべきだと、今日の話を聞いて改めて感じました。
いっちー
そうですね。日本の研究でも、例えばADHDを持つ子供たちの時間感覚や認知のズレなど、今まで前提として考えられていなかった情報がどんどん出てきています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/25/4/25_109/_pdf/-char/ja
1人1人が過ごしやすい環境を作るためには、診断だけに頼るのではなく、その人が何に困っているのかを見極めて、それに対してどのようなツールやアプローチが有効かを考えることが重要だと思います。
Ten
ありがとうございます。
ということで、本日はそれぞれの認知特性による情報の受け取り方の違いについて、主にADHDの特性とASDの特性の違い、インプットや学習に関する部分を深掘りしていきました。いっちーさん、今回もありがとうございました。
いっちー
ありがとうございました。
Ten
レデラジは今回で15回目になります。ぜひ、レデラジをお聞きいただき、皆さんの感想を各ノートやSpotify、YouTubeなどでコメントしていただけると嬉しいです。また、感想以外にも「こんなトピックを取り上げてほしい」というリクエストもぜひお寄せください。
ということで、今回もレデラジを聞いていただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
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