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デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる


【書籍情報】

タイトル:デザインのミカタ 無限の「ひきだし」と「センス」を手に入れる
著者:デザイン研究所
出版社:KADOKAWA
定価:1,980円(税込)
出版日:2023年8月2日

【なぜこの本を読むべきか】

街にも部屋にもネットにも、世界はデザインで溢れている。

それはつまり、デザインの見る目を養うことができれば、世界の見え方が変わるということを意味している。

本書は、デザインの「見る力」と「言語化する力」を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■デザインに興味がある
■デザイナーに関わることが多い
■デザインのスキルアップを図りたい

「センスは生まれ持った才能だから」と言う人もいるが、センスは後天的に身につけることができる。

ポイントは、どれだけ多くのものを観察したかという“量”を前提としながら、“質”を高めること。

そんな量と質をこなすことのできる効率的なトレーニング方法が、「葉を見て木を見て森を見て」なのだ。

【著者紹介】

デザイン研究所

デザイナーからノンデザイナーまでに、役立つデザインポイントをわかりやすく解説するメディア。
SNS は総フォロワー数47万人以上を誇り、デザインジャンルでは日本最大級。
3連休で終わる最速のデザインレッスン「ノンデザッ!」なども主宰。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

デザインの「見る力」と「言語化する力」において、「葉を見て木を見て森を見て」は非常に重要な要素となる。

📖ポイント2

図形の葉を見るには、まずは時間をかけてじっくり観察すること。今まで見えていなかった細工に気づけるようになる。

📖ポイント3

レイアウトの葉を見るには、自分の目線に着目すること。その目線、実はデザイナーによって誘導されたものかもしれない。

【1】「見る力」と「言語化する力」

見る力×言語化する力とは?


突然だが、一度本要約から目を離し、自分の周りにある「赤色」を見つけてみてほしい。

……

……

……どうだろう。

思いがけぬ場所に赤色があったことに、気づけたのではないだろうか。

意識を1つ変えるだけで、見える世界が異なり、身近に存在するデザインに気づくことができる。

それが、「見る力」である。

また、デザイナーの場合、クライアントや上司に説明する機会が多い。

説得力のある説明ができなければ、相手から理不尽な修正が発生する恐れが出る。

そこで大切なのが、「言語化する力」だ。

知識を身につけ言語化し、一つひとつの制作意図を説明することができれば、フィードバックで言いなりになることが防げるのである。

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葉を見て木を見て森を見て


「木を見て森を見ず」という言葉を、聞いたことはあるだろうか。

広辞苑では、「一部分や細部に気を取られ、全体が見えていない」という意味になっている。

ただ、デザインの「見る力」と「言語化する力」においては、細部と全体の両方を見ることが求められる。

さらに、よりミクロな葉を見る目も欠かせない。

つまり、「葉を見て木を見て森を見て」の力が必要になるのだ。

【葉を見る】(抽象度:低、情報量:少)
■「何がどのようになっているのか」という具体的な要素を見ること
■例:文章の一部が緑色に変わっている

【木を見る】(抽象度:中、情報量:中)
■「なぜそうなのか」を考えながら見ること
■例:文章の一部が緑色に変わっているのは、そこを強調したいから

【森を見る】(抽象度:高、情報量:多)
■対象物を観察し、「どんな時(シーンなど)、どんな場所(媒体など)、どんな人物(ターゲットなど)」かを分析し法則化すること
■例:文章の中で強調したいところがある時、その箇所の文字色を変える

上記の視点は、5W1Hの思考がヒントとなる。

葉を考える時は、「What(何を)」「How(どのように)」。

木を考える時は、「Why(なぜ)」。

森を考える時は、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」。

また、作り手ではない以上、解釈は多様にあり、「葉を見て木を見て森を見て」には複数の解答例が出てくる。

あなたなりの着眼点で、1つのデザインから複数のテクニックを発見してみよう。

【2】図形のデザイン

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