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イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本


【書籍情報】

タイトル:イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本
著者:内藤誼人
出版社:明日香出版社
定価:1,705円(税込)
出版日:2023年8月8日

【なぜこの本を読むべきか】

私たちが暮らす現代社会は、ストレスを引き起こす「要因」に満ちあふれている。

まったく何の準備もせずに、ストレス社会を生き抜こうとするのは、いくらなんでも無謀というもの。

しかし実際は、多くの人が何の準備もせず、もがいているのが現状である。

本書は、心理学の知見をもとに、人々が抱える悩みやストレスを軽くする手法を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■本当にこのままでいいのか、将来がなんとなく不安
■思い通りにいかないことばかりで、焦ってばかり
■人から気がかりなことを言われて、モヤモヤが晴れない

そもそもストレスは、対処法さえ見つければ、まったく怖くないものである。

さあ、今からその対処法を見つけにいこう。

【著者紹介】

内藤誼人

心理学者。立正大学客員教授。
有限会社アンギルド代表。
社会心理学の知見をベースにした心理学の応用に力を注いでおり、とりわけ「自分の望む人生を手に入れる」ための実践的なアドバイスに定評がある。
『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』など、著書多数。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

すべてのストレスを避けるのは不可能である。意識すべきは、ほどほどのストレスを感じるようにし、ストレスへの耐性を作っておくことだ。

📖ポイント2

状況に応じて身の回りの色に意識を向けると、やる気が出てきたり、心を落ちつけたりすることができる。

📖ポイント3

ストレスの大部分は、人間関係にあると言われている。まずは、不機嫌そうな人に目を向けるのではなく、こちらに向けて微笑んでくれる人を探してみよう。

【1】考え方ひとつで心はラクになる

ストレスを感じることは「心の筋トレ」になる


ほどほどのストレスを感じることは、決して悪いことではない。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のドゥーリーは、過去6年以内に初期の乳がんと診断された122名の女性に、以下の2つを尋ねた。

■がんに関する不安や悩みをどれくらい抱えているか
■人生において、家庭や仕事などでどれくらいストレス経験をしてきたか

すると、人生のいろいろな局面でほどほどのストレスを感じてきた人ほど、ストレスへの耐性が高く、乳がんになってもそんなに悩まないことが分かった。

つまり、弱い形でのストレス経験をしておくと、その後のもっと強いストレスにも耐えられるようになるということだ。

また、スポーツ選手はあえて苦しいトレーニングをし、負荷の高いトレーニングをすることで筋肉の繊維を破壊する。

その後、破壊される前の状態よりもさらに強く再生される。

元の筋肉よりも強くなるため、この現象は「超回復」と名付けられた。

ほどほどのストレスを経験しておくことは、筋肉を太くするのと同じようなこと。

小さなストレスをいくつも乗り越えるうち、大きなストレスに対しても蚊に刺されたくらいにしか感じなくなるのだ。

ストレスから逃げ続けていては、いつまで経っても耐性はつかない。

特に若いうちは、ストレスを感じることもどんどんやったほうがいい。

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ストレスを予想しておく


人生は、苦しいことの連続だ。

たまに嬉しいこともあるかもしれないが、基本的には苦しいことのほうが圧倒的に多い。

なので、「人生というものは、思うにまかせないもので、苦しいもの」ということを心に刻んでおくといい。

そうすれば、仮にイヤな出来事に遭遇したとしても、「ほら、やっぱりね」とラクに受け止められるようになる。

デューク大学のカートンは、ストレスを感じる出来事が起きても、あらかじめ予想しておくことで、さほど苦しさを感じないことを実験で確認している。

実験内容は以下の通り。

➀70名の大学生に、ある文章を読ませ、「a」で始まる単語だけを数えていく作業を行わせる。
②作業中には、監督者があれこれと話しかけたりして邪魔をする。

ただし大学生の半分には、監督者に邪魔をされることがあることを、事前に伝えておいた。

残りの半分には、そういった説明をしていない。

結果、ストレスを予想させられたグループは、邪魔をされてもストレスをさほど感じず、作業量も落ちないことが分かった。

あらかじめストレスがあることを予想しておけば、私たちはそれに耐えられることを意味している。

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自分に催眠をかけてしまう


小さな子どもが外で走り回り、転んでヒザから血が出ている場面を想像してほしい。

当然、子どもは大泣きする。

そのとき、母親が「痛いの、痛いの、飛んでいけ」とおまじないを唱えると、子どもは一瞬で泣きやみ、再び元気に走りだしていく。

痛みというのは、身体的な反応ではあるが、心理的な反応でもある。

本人が「痛くない」と思い込めば、それはもう「痛くない」のだ。

アイオワ大学のシュルツ=スタブナーは、12名の健康なボランティアに対し、痛みに関する実験を行った。

➀痛みを感じなくなる催眠をかける
②熱風を与えて痛みを感じさせる
③熱を与えている最中の脳の活動を調べる

通常であれば、痛みを感じる脳の領域が活性化する。

しかし、催眠をかけた状態では、痛みの領域の活性化が抑制できたのだ。

ストレスを感じるようなことをしなければいけないときは、まずは自分で自分に催眠をかけてしまおう。

「私なら、こんな仕事はすぐに終わる」とか「ちっとも苦しくなんてない」などと催眠をかけておけば、ストレスを感じずに済む。

身体的な痛みと同様、ストレスも本人が「大丈夫」と思っていれば、本当に大丈夫になっていく。

【2】心の疲れを今すぐリセット

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