育児×仕事しながら修士号取得!オンライン留学のメリット&デメリット②
こんにちは。前回はオンライン留学のメリットに関する記事を執筆させていただきました。
今回はデメリット編に入りたいと思います。
オンライン留学のデメリット
1.単位に直結する最低限の課題しかやらなくなる
英国の大学院はリーディング課題や自主学習に重きを置いています。進捗状況などを細かくチェックされたりはしません。
人間は基本的に怠惰な生き物なので、人目がないと最低限のことしかやらなくなるんですね。私だけかと思っていたらみんなそうでした(ちょっと安心・・・)
2.「憧れのキャンパスライフ」みたいなものは一切ない
こればかりはオンラインなのでどうしようもないですね💦
“留学”という言葉が持つきらびやかな響きとは裏腹に、子供を寝かしつけた後に家でパソコンと向かい合ってひたすら課題をこなす毎日で、キラキラ要素はほぼゼロ(苦笑)。
いっそのこと「オンライン留学」じゃなくて「自宅大学院」とか「ネット大学院」にしたほうが語弊がなくていいかも、と思いました。
でも「自宅大学院」や「ネット大学院」じゃなんかちょっと格好悪い。良い表現が見つかったらぜひ教えてください。
ちなみにキャンパスのある大学ですと、大学のロゴ入りグッズがネットで購入できる場合もあります。私もパーカーやTシャツ、文房具を購入しました。夜に部屋着として着用しながら大学の文房具を使って、ちょっとだけ学生気分を味わっていました。
写真を載せようかと思ったけど、パーカーはヨレヨレだからやめました。
3.他の学生との交流や教授とのつながりは希薄になりがち
みんな忙しいのでその場限りの関係になります。
4.修了率が低い。やり抜くために覚悟と強い意志が必要
ここからはオンライン留学のかなり厳しい現実についてお話したいと思います。オンライン留学の良さはオンキャンパスに比べて気軽にはじめられることです。しかしこの気軽さが故に、途中で辞めてしまう人も相当数いるんです。
ちなみにキングスのオンライン課程の修了率に関するデータは非公開。「退学率は非常に高い」とだけ、人づてに聞いたことがあります。
キングスの代わりに英オープンユニバーシティの修了率を挙げますが、この記事によると13%。卒業までこぎつける学生の少なさは以前から問題となっているようです。
キングスは13%よりもう少し高そうですが、少なくとも入学者の半数から3分の2程度は中途退学しているのではないかという印象です(正確な数字を申し上げることができずすみません💦)
「海外名門大学院の国際関係の修士号なんて、なんかかっこい!」ってみんな憧れるんです。しかも、オンキャンパスのコースよりも、オンラインコースは入学要件が低く設定されたりしていて、その憧れは比較的手が届きやすいところにある。※キングスの入学要件についてはまた別途触れたいと思います。
私自身にそのようなちょっと浮ついた感情があったのですごく、すごくよくわかります。
「憧れ」は強い行動力の源になります。
しかし残念ながら「憧れ」や「わくわく」は最初のアクションを起こす上では非常に有効なのですが、そういった感情はフルタイムの仕事と日々の生活と学業の両立で板挟みになったり、周りの学生の優秀さに圧倒されてほんの一瞬で費えてしまうんですね。先ほど述べたように、待ち受けているのは「きらきらしたキャンパスライフ」ではなくパソコンに向かって毎日作業する日々。それを最短でも2年間、730日、2000時間超続けなければいけません。せっかく苦労して書いたエッセイが酷い成績だったなんてこともよくあります。
それでも続く人とやめていく人の違いは何か?
それは卒業した後の具体的なビジョンがあるかないかではないかと思います。
ある印象に残ったクラスメートの例を挙げます。
彼女は国際関係を学部で学んだここともなく、職務も国際関係とは全く関係のない分野。それでも最短で卒業していきました。※在籍する学生のほとんどは関連分野での職歴があったりして、何らかのバックグラウンドはある人が多かったです。
そのクラスメートは学位を取得した後に自国の「インテリジェンス部門」で勤務したいと語っていました。
「なぜ学ぶのか」がはっきりしてたんですね。彼女にとって、キングスを辞めることは自分自身の「キングス後」の夢をあきらめることになってしまう。だから必死に食らいついていくモチベーションがあった。
大学院卒業はゴール(目的)であると同時に、スタート地点に立つための「手段」でもあるのかなと思います。
あれこれ書きましたが、修了率が低いから諦める必要は全くないと思います!大学院で「何をなんのために学びたいのか」──これがしっかりとしていればきっと大丈夫です!
5.語学力は伸びない(特にスピーキング)
語学力を伸ばすためにわざわざ海外大学院で修士を取るわけではないので、デメリットとして挙げかどうか迷ったのですが・・・💦
やはり現地に滞在した方が流暢さは格段に上がります。現地でサバイバルしている間に自然と身につくのですね。
また、オンライン留学生たちに関していうと、語学は入学時にそこそこできることが前提とされています。
英国の大学院にオンキャンパスで入学する場合、conditional offer(条件付き合格)といってIELTSのスコアが入学条件を満たしていなくても夏に開講される英語講習に参加することで合格とみなす制度があるのですが、オンラインだとその制度が使えないんです・・・
ちなみに私の出願時のIELTSの点数はOverall 7.5 (L8.0/R8.5/S6.5/W6.5)で、足きりの条件は満たしていたのですが、結局最後まで英語力不足に悩んでいました・・・
6.在学中に転職しずらい
心惹かれる求人があっても、「課題の締切があるから」と見送りがちです。
7.選択科目が少ない(特にオンキャンパスと比較して)
キングスではオンラインでも選択科目があり、いくつかの授業の中から選ぶことができたのですが、大学によっては必修科目しか開講されていない場合があります。
オンラインとオンキャンパス、結局どちらがおすすめ?
個人的な意見に過ぎないのですが、状況が許す限り現地に行ったほうがいいのではないかと思います。しかし、仕事や家庭、その他の事情があって現地にいくことができない人にとても魅力的なオプションとなり得るのではないかと思います。仕事や家庭など何らかの事情で進学をあきらめかけている人に、「こんな選択肢もあるんだ!」とぜひ知っていただけたらなと思います。
オンライン留学を終えて思うこと(個人の感想)
今回は”等身大”のオンライン留学について知っていただきたいとの思いからデメリットの面もしっかりと書いたつもりです。こうしたメリット・デメリットを全部含めて振り返ってみて私自身が思うのは「いろいろあったけどやってよかった」ということです。(←在学中は「やめたい」と散々ぼやいていましたが(笑))
日々の仕事を抱え、小さな子供を持つ私にとって、オンライン修士はほぼ唯一の選択肢だったのです。
通常だったら進学をあきらめていたかもしれない状況で、ロンドンから9600キロも離れた東京から学位を取得するという革新的な学びのスタイルを提供してくれたキングスには感謝の気持ちでいっぱいです。
キャンパスに一歩も足を踏み入れたことはなくても、キングスは思い入れある私の「母校」となったことに変わりありません。トータルで3年近くの年月がかかりましたが、次のステップに進むためのスタートラインにようやく立つことができました。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。少しでもご参考になりましたら幸いです!
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