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今日覚えたい表現&発言

au-dessus de ②

そのネイティブらしさ(同化)のシステムは、明日解説をします。
正しい発音と自然な発音は、だいたい同じだけど少し違うのです。

昨日の記事の続きです。

[d] の音が耳に届いている人:自然な速さで言えていたとしても、まだほんの少しネイティブらしさには届いていないようです。
[d] の音が耳に届いていない人:耳に感じるのは [t] の音ですね。そうだとすれば、素晴らしいです!自然に「同化」という音の現象を体現しているのです。

人間は音を意識しないで言葉を発すると、左右で音の「すり合わせ」を起こすことがあるようです。(専門家ではないので難しい語彙は使えません)
そのすり合わせの一つが、フランス語における同化であると考えてください。要するに「言いやすくなる」現象です。

au-dessus de という表現は [o-də-sy-də](敢えてカタカナで書けば「オ・ドゥ・シュ・ドゥ」)という4音で構成されています。
この4音を«正しく»発音できていれば問題なく通じますし、「この人の発音は正しいなぁ」と思ってもらえるはずです。
ただ(言い方は悪いかもしれませんが)人工音声を組み合わせているようですね。正しいけれど自然ではない…
そう「音のすり合わせ」がないから不自然なのです。

[ə] という母音は「あいまい母音」と呼ばれ、多くの場合発音されない「存在が曖昧」な母音なのです。
しかもどんな音かと問われれば、「口を半開きにして口の中をダラダラさせて発音する力が入らない母音」と言ったら音の専門家からは批判がありそうですが、大きくは間違っていないはずです。「音も曖昧」な母音なのです。

この曖昧母音 [ə] は原則的には「発音しなくていい」と考えてみてください。そう、ないほうが自然なのです。特にパリを中心とする北のフランス語では、デフォルトはその傾向が顕著です。
という訳で、 [o-də-sy-də] は [o-dsy-d(ə)] という並びになります。

次に起こる現象が同化と呼ばれるものです。
[dsy] の[d] の音が、直後の母音 [y] を伴って安定している子音 [s] に引きずられて無声音化、すなわち [t] の音に変わるのです。

同化が起こった後の音を敢えてカタカナで書けば「オッ・チュ・ドゥ」です。

「オ・ドゥ・シュ・ドゥ」と「オッ・チュ・ドゥ」は似てるけど違うものですよね。

でもコレが、「正しくかつ自然なフランス語」の音なのです。

ご参考まで

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