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僕はいつも逆に考える。有名にならなくてもいい、無名でも幸せだから

軽井沢で無名なレストランを経営しています
20年やって無名なんだから多分この先も無名でしょう
それもなんだか良いものです
僕は常に物事を逆に考えます。
今回のnoteではその序章として
お店と僕の歴史を軽くご紹介します。

こんな僕でも、最初はとにかく有名になりたかったんです
別に理由なんかなくて漠然と
それが繁盛店の当たり前の姿だと思っていたから。

繁盛して、お客様が次から次へとやってきて
人気が出れば店は有名になって、メディアに登場しちゃったりして・・

そんな自惚れた夢を見ていました
自分にはそれができると思ってた。

お店をやってみると分かるのですが
世の中はそんな単純なものではないんです。

1軒目のお店

僕のお店は幸いな事に順調なスタートを切りました
初日から黒字で、初月から黒字で
もちろん初年度から黒字。

開業から一か月くらいで
オープン前にお客様が並ぶようになり
週末は予約がないとお席はご用意できなくなりました。

確かに自信がありました。自信過剰なほどに。
だからこれで調子に乗ってしまいました
忙しい日々に追われていましたが
それでも成長するための努力はしていた「つもり」でした。

その日、その日は成長を求めて必死に戦っています。
だけど、心のどこかに過信があって
この路線の延長線で大丈夫、上手くいくと思っていて
本質的な変化を拒んでいたのかもしれません
まるで井の中の蛙です。

お店そのものは相変わらず好調で、売り上げは出ていました。
だけど5年ほど経って
当初考えていた「有名になる」とか「メディアに取り上げられる」とか
そういった事とはまるで無縁なお店になっていました。

ふと立ち止まると
あれ?なんでこんな風になっちゃってるんだろう??って思うんだけど
毎日忙しいから先送りにしちゃって。

5年もやるともう日々のルーティンから抜け出せなくなっています
ますます深く掘り下げてしまって出口が見えません
賢明な読者の皆さんは僕に何が足りないのか、もうお気付きでしょう。
そう、僕はただ料理を作っているだけで、それ以外は何もしてないんです
そんなお店が脚光なんて浴びるはずもなく。

でも、この時点の僕は気付いていません。
それどころか
①お客様の意見には耳を傾けない
②他のお店と自分のお店の比較はしない
③地域の特性には迎合しない

という、マイルールを作り
完全に「自分は自分」という路線を歩み始めていました。

開業から9年で転機が来ました
テナントを管理する会社が消滅して、契約が白紙になりました
お店は移転する事になり
普通ならパニックになりますが
どういうわけか、僕は全く動じませんでした。

この辺りで、自分の変人っぷりに自覚が出てきます
単にピンチはチャンスだと思ってました。

2軒目のお店

こんな僕にも手を差し伸べてくれる人がいました。
常連のお客様で、
自社物件を貸しても良いと言ってくださった方があり
ご厚意に甘え、そこで心機一転のお店作りを開始しました。

ここで自分の作ったマイルールをもう一度
①お客様の意見には耳を傾けない
②他のお店と自分のお店の比較はしない
③地域の特性には迎合しない
これを軸に新しいお店をスタートさせました。
文字にすると・・本当にひどい話です。

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