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読書記録『わたしの美しい庭』

『わたしの美しい庭』凪良ゆう

緑あふれる屋上庭園。その奥には縁切り神社がある。

縁切り神社の神主でオーナーで翻訳家の統理。
統理の元妻の娘で快活な百音。
統理の友人で同居人の路有。
高校時代に喪った恋人坂口くんを忘れられない桃子さん。
坂口くんの弟で鬱で休職中の基。

彼らは〈生きづらさ〉や痛みを抱えながらも、優しい時間を過ごせる場所、素直に語り合える人と出会い生活を続けていく。

世の中の普通から逸れることは恐ろしい。
私は自分に認識可能な「普通」のちょっと上を目指して生きてきた(それが成功しているかはさておき)。おそらくこういう生き方自体、既存の社会規範を強化し、周縁化された人々への加害性を有している。
安寧を求めることをおいそれとやめられるほど強くはないという弁明を重ねている。
この物語のように世界が優しくあって欲しい。
そして願わくば私自身が誰かにとって息をつける庭でありたいと思った。

以下日記
今日は電車でこの文章を書いている。
電車に乗っている時間は好きです。疲れて目を閉じていてもどこかへ移動し続けられるから。
同様に洗濯機が回っている時間や鍋でカレーなんかを煮込んでいる時間も好き。
洗濯物を干すのと鍋を洗うのは好きじゃない。
受動的で怠惰な生活を愛しながら、能動的に読書記録を付けている自分えらいなという話でした。

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