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僕の好きなクリエーター057-榮久庵憲司

GKという会社

意外にも榮久庵憲司を知る人は少ない。GKと呼ばれる日本最大級のデザイングループがある。 日本がバブル経済期にはプロダクトデザイナーばかりが、なんと総勢600名いたと僕は記憶している。GKというのは小池岩太郎グループ(Group of Koike)の頭文字を取ったもので小池岩太郎が榮久庵憲司の恩師だったのだ。

賞とデザイン

カウフマン国際デザイン賞研究賞 (国際インダストリアルデザイン団体協議会)
コーリン・キング賞 IDSA(米国工業デザイン協会)
世界デザイン大賞 
通商産業省からデザイン功労者表彰 藍綬褒章 
JIDA大賞(社団法人日本インダストリアルデザイナー協会)
芸術文化勲章(フランス)
など数々の世界的なデザイン賞を取っている

作品としては

たくさんありすぎていちいち取り上げられないが
最も有名な作品はキッコーマンの醤油ボトル ヤマハのバイク などが代表作。

お寺の跡取りだった榮久庵憲司

両親は広島の出身で僧侶だった。影響なのか、後年仏壇などのデザインも手がけている。 そしてこの人も日本のデザインにこだわった一人で、僕はNHKのテレビ番組で幕の内弁当のデザインを解説していたのを覚えている。

幕の内弁当に見る日本のデザインThe Aesthetics of the Japanese Lunchbox (The MIT Press)という著書もでている 日本語版は調べたけど出てこなかった、
語りの内容はこんな感じだった

日本のプロダクトデザインを語るときに何が特徴かということの話。
それは例えば日本のデザインの美は 幕内弁当によく出ているという。日本というのは混ぜない文化であり、物の価値をひとつずつ分けて、それぞれに思いをよせる。

そして、始まりがあり終わりがある。儀式のような流れを大事にしている。 物だけをデザインするのではなく、それを用いる空間 時間の流れを大切にしている。 幕の内弁当には蓋がついており、箸がついており、高級なものになると蓋の上にはちょこんと菊の花が乗っけられていることもある。

このようにまず、お弁当を食するにも、始まりがある 人は蓋を取る前にいただきますと手を合わせ、初めて蓋を開ける。 すると目に飛び込んでくるのは、幕の内弁当には仕切りがあり、たまごやえびやえんどうまめや たけのこや 芋が素材がそれぞれに分けられている それらの色 食材自体がデザインの要素となる

黄色 緑 灰色 赤、色とりどりで私たちの目を楽しませてくれる。 そして食した後には ご馳走様でしたと再び手を合わせて、蓋を閉じ、箸を元通り箸入れに入れて幕の内弁当の上に菊を乗せると 初めと終わりが同じ形で終わる。

このような伝統的な様式が日本にはたくさん残っている。 それが日本のプロダクトデザインではないか。というような意味であった。

日本のデザインの美しさ


僕は日本の食卓はその気になったら、世界一美しいと思う。おにぎりの白と黒のコントラスト 沢庵の黄色 トマトの赤、遠藤豆の緑、山芋のグレイ そういうものが美しい器の上に乗せられたとき、食べてしまうのが勿体無いほど綺麗な配色になっていることがしばしばある。そしてそれは人工的ない色ではない 素材そのものの色なのである。

なかなか難しいことではあるだろうけど、日本人だけが持っている感性をデザインできれば幸せだと思う。





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