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日本語は難しい言語?

誰かが話の途中で言葉に詰まったときなどに「日本語難しいよね」と愛想笑いをしながら言えば、その場を和ませることができます。

しかし、それを真にうけて「日本語が他の言語に比べて難しいのだ」と思い込むのは信じられないほどマヌケなことです。

言語とは、人間であれば(特殊な場合を除いて)誰もが出来るようになるものです。
幼少期に周りの人間が話している言語を自然に学べる脳をもって人間は生まれます。

どんな言語も理解できて当然

事実、言語能力があるかどうかは脳に障害があるかどうかの基準になります。
社会は言語を理解することを前提に作られています。
たとえ耳が聞こえなかったり目が見えなくても、手足が無い状態で生まれてきても言語は理解することができるようになります。
言語とはそれぐらい基本的で簡単なものです。

さらに、脳は全ての言語を理解出来るようにできています。
日本語を話す人たちに囲まれて育てば、どんな人種であろうと日本語を理解できるようになります。
これは英語でもロシア語でもベトナム語でも変わりません。
どの言語が難しいということはないのです。
言語の難易度は全て等しく、とてつもなく簡単です。

「言語の難易度」という嘘

「日本語は難しい」という嘘が広まったのは、似た言語と似ていない言語で学習速度に違いがあるからかもしれません。
例えばスペイン語やイタリア語はとても近いから、どちらか一つを学べば他の言語を学ぶのは非常に容易です。
また、韓国・北朝鮮や中国の人からしたら日本語は簡単な言語だという印象になります(逆もまた然り)。
一方で英語やアラビア語などで育った人が日本語を学ぶとなると、難しいと感じます。

しかし、言語の難易度というのはあくまで印象に過ぎません
”難しい言語”というのは「あなたが学びにくいと感じる言語」「あなたが学ぶのに時間がかかる言語」という限定的な意味しか持ち得ません。
これは「100mを10秒で走るのが難しい」と言う時の「難しい」とは違うのです。

「客観的に言語Aは言語Bよりも能力を要求する」ということはありません。
似ている言語を学ぶよりも、文字も文法も違う言語を学ぶ方が学習の工程が増えるというだけの話です。
全ての言語は小さな子供でも理解できるようにできています

優秀さと言語は無関係

また、外国語を学べば言語能力が上がると勘違いしている人も多いようですが、思考力や表現力と言語自体とは全く関係がありません
英語を学べばビジネスで契約をとれるようになるわけではないし、面白い小説が書けるようになるわけでもありません。
言語と能力は別物です。
20ヵ国語で日常会話ができたとしても、その人が優秀な人間かどうかはわかりません。
何度も言うようですが言語は人間にとって基本的で簡単なものです。

ちなみに、「日本語は難しいから、その難しい言語を使っている自分は能力がある」というような意図で「日本語は難しい言語だ」と言うのも間違いです。
これは虚しい人が言うことです。
止めましょう。


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