計画的偶発性理論で成功を引き寄せる
毎朝、6時ぐらいからNHKラジオを聞いて、ニュースをチェックし、ラジオ体操をしてから、ストレッチをしています。6時45分ごろからのマイ!Bizというコーナーでは、野田稔(明治大学ビジネススクール社会人大学院 専任教授)先生が「偶然を味方につける~ミドルシニアのキャリア戦略~」についての話をされていました。
そのお話の中で、不確実で変化のスピードが速い現代では、予期しない偶発的な出来事によって好ましい結果を得ることができる。成功者と呼ばれている人の8割がこの偶発的な出来事、つまり偶然とかたまたまがターニングポイントになったと語っています。
ならば、偶発的な出来事があることを想定して、柔軟に構えて、そのチャンスを逃すまいと計画すれば良いのです。これを計画的偶発性理論と言うそうです。スタンフォード大学の心理学者であるジョン・D・クランボルツ教授が1999年に発表したキャリア理論なのです。
予見できない未来について、あれこれと計画を立てても、その通りになることは、まずありません。予見通りになるならば誰でも成功者になれるはずです。予見は様々な外的要因によってだいたいハズれるのです。
とはいえ、経営を続けていくためには銀行などからお金を借りなければならないし、予見できない未来を少しでも見通そうと事業計画書を何度も何度も書かなければなりません。確かに調査を重ねて事業計画書を立てているうちに、社会の状況や世の中の流れ、マーケットの未来はなんとなく見えてきます。しかし、多くのことに確実性はほとんどありません。銀行の担当者が上司や保証協会に都合の良い説明をしてもらうためのものです。
偶発的な出来事が起きそうな場所やタイミングを見計らって、そこらじゅうに仕掛けを置いておくことで偶然を引き寄せることができるはずです。実は、それがビジネスで成功する秘訣ではないかと思っています。
偶発的な出来事が起きそうな場所や時間を絞り込むためには、社会の動き、世の中の流れ、マーケットの動向、そして教養が求められます。そして、あらゆるところで行動することが重要ではないかと思うのです。
考えてみれば、サッカーや野球など計画的な偶発性を引き寄せる確率を高めるために身体能力を高めているのかもしれません。
何も準備せず、期せずにバズる。すなわち偶発的な出来事がやってくることもあります。日頃の準備は怠らず、そんな時に期待しつつ。いつでも対応できるよう柔軟な姿勢で、ゆったりと過ごすことが成功のカギと言えそうです。