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持続可能な社会のために、リープがいまできること「TSUNAGU食堂」主催・松澤寛之さんにお聞きしました(前編)

人手不足、少子化、過疎化、格差や差別。挙げだせばきりがない数々の課題を抱える現在の日本。人材育成に携わり企業の課題を見つけ、着実に解決してきたリープが今できることはないのだろうか。いや、きっと、できることはあるはず。

いまリープに必要なことは、自社の業績や成長だけではない、未来につながる何か。10年後も20年後も変わらぬ明日を迎えるために——。

漠然とした想いが募り始めていたところに、リープと同じ企業コンサルティングを展開する松澤寛之さんから声をかけていただき、会社単位でできる社会貢献活動のひとつに「こども食堂」への支援があることを知りました。

これこそが、リープが未来のためにできることの一つなのではないか。

そう思い立った私たちは、2022年8月から「こども食堂(TSUNAGU食堂)」への支援をスタートさせました。

支援開始から1年。「こども食堂」は、困っている人を助ける場でもあるけれど、心と心をつなぐ、とっても素晴らしい活動なのだと知ることができました。

そんな風に思えたのは、松澤さんの運営するTSUNAGU食堂が、誰にとっても温かくて楽しい場所だったからです。なぜ、こんなに豊かな憩いの場を創ることができたのか、今日はその源流をたどりたいと思います。

小学校と同じ数の「こども食堂」をつくりたい

TSUNAGU食堂準備中、撮影に応じてくれた松澤さん

松澤さんが代表を務めるSWITCH株式会社は、企業コンサルティングを展開するかたわら、社会貢献事業を手掛けています。沖縄・宮古島ではビーチクリーン活動(食糧などの支援あり)、横浜ではTSUNAGU食堂(こども食堂)を開催。支援いただけそうな企業に声をかけ、運営資金を確保。参加者には美味しいお弁当はもとより、生活の必需品であるお米やお茶、企業の協力があった時は日用品などの物資も配布しています。

TSUNAGU食堂はレクレーションを充実させ、こどもたちとクイズを通じて学びを得たり、支援品を活用してゲーム大会をするなど、参加した保護者もみんなで楽しめる「地域の憩いの場」を目指しています。会場の確保や運営には近隣住民の理解が欠かせないため、より多くの人に賛同してもらうために趣向を凝らしているそう。最近はクチコミで評判が広まり、応募が定員をオーバーしてしまうこともしばしば。

そんな松澤さんが社会貢献事業に着目したのは、ある社長さんとの出会いがきっかけでした。

松澤さん:5年ほど前でしょうか。宮古島でリゾート開発をしている会社の社員教育をお引き受けしたことがありました。育成のプロジェクトが終わるときに、ご依頼いただいた社長さんから「今度は生まれ育った故郷に恩返しがしたいんだけど、何かアイデアはない?」と尋ねられたんです。

その時は何も即答できず、企業が支援活動するにはどのような手段があるのか調べてみたところ、NPO法人・全国こども食堂支援センター(むすびえ)が運営している「こども食堂」があることを初めて知りました。活動内容を知るうちに、自分だったら「地域や団体、企業も参加できる食堂」がやりたい、これはやる価値があると考えるようになりました。

目標は、「全国2万カ所にこども食堂がある世界」。これは、むすびえが掲げている目標なのですが、2万カ所というのは全国の小学校と同じ数なんです。誰でも歩いて行ける場所にこども食堂があるという世界をつくりたいといお話を聞き、感銘を非常に受け、私も全国津々浦々にこども食堂が広がっていくといいな思い、発起したんです。

実際に活動を始めてみると「こども食堂は、まだまだ敷居が高い」と感じました。言葉を選ばずにいうなら「貧困の子が行くところ」「こども食堂に行くと貧乏だと思われてしまう」そんな凝り固まったイメージがありました。でも私は「いやそうじゃない! こども食堂は誰が来てもいい」「誰もが安心して楽しく遊べる場なのだ」と思うんです。それが広く社会の認識になってくれればと思っています。

最初に着手したのは、宮古島のレベルアップパーク(ビーチクリーン活動+こども食堂)。故郷でもなく、仕事の拠点でもない沖縄に着目したのは、「支援すべきこどもたちが待っていた」からなのだとか。

松澤さん: 仕事で宮古島を訪ねるうちに、沖縄は離婚率が全国で一番高く、貧困層も多いことが分かり、一方でこどもを大切にする文化が根付いていることも知って、「これは、もしかして?」とひらめいたんです。子だくさんの家庭やシングルマザーが多く、サポートが必要な親子も多いから、お母さんが一息つける場所が必要なんじゃないかと。ご飯が食べられるだけじゃなくて、肩ひじ張らず、ほっとするような場所があったらいいなと思ったんです。

SWITCHは人材育成をしている会社ですから、皆さんに学びや成長の機会をお届けしたいと思っていて、こどもたちには食事を提供するだけじゃなくて、社会のルールやマナーを学ぶ機会になればいいなと考えていたので、ビーチクリーン活動とこども食堂を組み合わせてみることにしました。

ボランティアではなく、事業として立ち上げたレベルアップパーク。最初は地域から正しく認識してもらえず、順風満帆とはいきませんでした。それでも声掛けを続け、親子で実際に参加してもらい、回を重ねることで、地域に根差した活動へと変化を遂げます。

松澤さん:立ち上げの時には、地元の人たちから「何をやるの?」と聞かれ、「企業のお金儲けのためにやるんでしょ」とか、「出資しているスポンサーさんの商品を買わされそう」といわれたこともありました。我々も株式会社として運営していますし、支援先も一般の企業さんですから、そういう見られ方をするのは仕方ないと思いつつも、実績をつくることで誤解を解いていきました。こどもたちが一生懸命ゴミ拾いをしてくれて、ビーチがきれいになっていき、一緒に時間を過ごし、美味しいごはんを食べたりすることで、次第に心がほぐれていったのではないでしょうか。

レベルアップパークやTSUNAGU食堂は社会貢献事業であるとともに、SDGs活動の一環としても運営されています。持続可能な社会のために、どんなことが実現できそうか、何に注力しているのでしょうか。

松澤さん:私たちが行っている活動は、「SDGs17の目標」を全てカバーできているわけではありません。網羅しようとして散漫になるよりは、項目を絞って取り組むのがいいのかなと思っています。こども食堂っていうと「貧困」や「飢餓」を正面から受け止めている印象ですが、限定的な活動にならないように、地域に根差した活動を目指しています。また、レクレーションで一緒に盛り上がるなど「明るくて楽しい健全な取り組み」を念頭に置き、心の貧困を救うような役割も果たしたいと考えています。

松澤さんによると、TSUNAGU食堂は、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」が該当するそう

こども食堂は収益化を目的にはしていませんが、続けられなくては意味がありません。皆さんにご支援いただきつつ、バランスをみながら、活動を維持できればと思っています。今のところはとても順調で、ご理解とご協力を充分にいただけております。賛同してくれる企業さんは増えてきております。最初にお話をさせていただいた時に、やはり会社の代表者、決裁権のある方の共感を得られるかが、このプロジェクトを回していくためのポイントとなっていますね。

【インタビューは後編に続きます】

以上、リープの和田がお届けいたしました!

レベルアップパーク、TSUNAGU食堂に関するお問い合わせはSWITCHまで
https://www.switch-pj.com/

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