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【3/16 国際女性デー記念イベント 私らしいキャリア&ライフの歩み方~「経産省→子連れMBA→スタートアップCEO」忍岡氏 × 「外資系銀行→MBA→世界銀行へ!」山上氏】イベントレポート

Summary

Lean In Tokyoは、3/16(土)に国際女性デーを記念し、株式会社ヘラルボニーCOO・忍岡真理恵さん、International Finance Corporation(世界銀行)のAssociate Investment Officerの山上愛さんをゲストにお迎えし、スペシャル対談イベントを実施しました。お二人それぞれのキャリアにおける3つのターニングポイントをもとに、その時々で悩んできたことや挫折経験、その中で自分を突き動かした原動力についてお伺いしました!お二人に共通して”憧れ”を力にキャリアを前進させていくヒントが詰まっています。

Guest

忍岡真理恵さん:株式会社ヘラルボニー 最高執行責任者COO
2009年経済産業省入省。留学を経てマッキンゼー・アンド・カンパニーで事業戦略などに携わる。その後、株式会社マネーフォワードにて事業開発、社長室長、IR責任者。並行して同社のESGやDE&I活動を推進。2023年秋より株式会社ヘラルボニーに入社、執行役員COO。ペンシルベニア大学ウォートン校MBA修了。9歳男子を育てるシングルマザー

山上愛さん:IFC(世界銀行グループ) Associate Investment Officer
2015年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。新卒でJ.P. Morganに入社、東京1年、ニューヨーク2年半、ロンドン2年半勤務。ペンシルベニア大学ウォートン校にてMBAを修了後、2023年に世界銀行グループのIFC (International Finance Corporation)にYoung Professionals Programで入社。現在はワシントンD.C.勤務、3月よりケニアのナイロビオフィスに異動予定


ターニングポイント①「なんでもありなんだ」と価値観が覆されたMBA留学/憧れを原動力に挑戦したG20ユースサミットでの経験


忍岡さん:
私のキャリアのターニングポイントの1つ目は、子育てとMBA留学を同時期に経験したことです。もともとは「子育て中は9:00-17:00で働き、子供を産んだらキャリアより子育てをメインでしよう」という、どちらかといえば保守的なマインドセットでした。しかし、妊娠と同時にMBAに合格し、悩んだ末折角のチャンスだからと周囲に背中を押され子供を連れてMBA留学に行きました。そこで驚いたのが、留学先で色々な国から来た”お母さん”にであったことです。母国に子供を置いてきてMBAで学んでいる方、シングルマザーの方、家族で留学している方など多様な人生を送る方々に出会い、自分の中の理想の母親像・子育てに対する価値観が覆されました。それまで子連れでMBA留学をしている間も、「自分は悪い母親なのではないか」と責めてしまうこともありましたが、お母さんになってもあらゆる道があって、なんでもありなんだ!と気づかされました

山上さん:
私のターニングポイントの1つ目は学生時代の体験になります。私は中高時代を帰国子女のクラスで過ごしたのですが、実はそれまでの海外経験は幼少期にロンドンに1年半住んでいただけでした。当時私は英語が苦手で、クラスの海外経験豊富な友人と自分を比べて自信をなくしてしまうこともありました。それと同時に同級生への憧れもどんどん大きくなり、その憧れを原動力に言語教育に力を入れている学部へ進学をしたり、留学に挑戦したりしました。様々な挑戦をする中で2013年にロシアで開催されたG20ユースサミットに日本代表として参加する機会を頂くことができました。そこで国際機関や金融機関で活躍されている方々にお会いしたことで、挑戦は怖いし、失敗することもあるけれど、「挑戦すると新たな出会いが生まれて、次のステップがみえてくる」ということに気づきました。私は憧れと嫉妬心は紙一重だと思っているのですが、周りと比較することを辞め、自分自身を向き合うことで、羨ましいという感情を上手くポジティブに変換できたかなと思います。

ターニングポイント② 自分らしく生きるためにした決断/毎日泣いていた社会人1年目と憧れの再確認

忍岡さん:
MBA留学後、元々自身の持っていた「母親像」から抜け出していき、キャリアでもプライベートでも大きな決断をしたのが2つ目のターニングポイントです。母が専業主婦だったこともあり日本における「理想の母親像」が幼少期から刷り込まれていたので、MBAの留学後もそこから抜け出すのに苦労しました。その中で元パートナーとの価値観の違いもあり、自分が自分らしく生きるために離婚し実家で子育てをするという決断をしたのですが、どうしても「自分が作ろうと思っていた理想の家庭が作れなかった」という挫折感はありました。同時期に仕事でも他業種に転職する決断をしたのですが、転職直後は自分のバリューが出せているのか分からず、プライベートもキャリアでも一気に自信を失いました。そこから5年間位は自信がなくて這い上がろうともがく時期が続きました。今振り返ってみてると、当時は”あるべき像”は無いと頭では分かりつつも感情で納得出来ない状況だったと思います。その中で自分らしく生きる為に迷いながら決断できた当時の自分をほめてあげたいです。
MBAにいるなかで「もし恐れが無かったら何をする?(What would you do if you weren’t afraid?)」という質問をされたのですが、自信が無くなったときに自分自身にそれを問うというのもいいかなと思います。

山上さん:
私は社会人1年目に教わったこと、そして海外で働いた経験が2つ目のターニングポイントです。入社一日目に「プライドを捨てろ」という言葉を言われ、大学時代に挑戦をすることで積み上げてきた自信が崩壊し当時は毎日泣くほど辛かったですが、今振り返ると重要なメッセージを社会人1年目の時に学ぶことができたなと思います。辛い時でもチームが好きで、周りの環境がよかったので頑張れました。どんな人に対してもその人の良い所にフォーカスを置いて、何を学べるのか?という視点を持ちながら関わることで周囲といい関係性を作れるということもこの時期に気づきました。
また、その会社でトレイニーとしてロンドンとニューヨークで働く挑戦をさせて頂いたことがきっかけで海外の環境下で働きたいなと思うようになりMBAを将来の選択肢として考えるようになりました。しかし、当時MBAに行っている先輩に話を聞く中で、”今の現状が嫌だから”という理由で次のステップを選択しても意味が無いといわれ、自分は何をやりたいのか考えるようになりました。将来の指針を見つけるのに苦戦していた中、「何が羨ましい?どんな環境や人に対してあこがれる?」ということを考えると指針が見つかるかもしれないとアドバイス頂き、その視点で将来のキャリアを考えるようになりました。
そこで学生時代に抱いていた国際機関への憧れを思い出し、MBAから世界銀行グループに入られた本田恵子さんのお話をお伺いしたことで憧れを再確認しMBAへのチャレンジに繋がりました。


ターニングポイント③ 原点を思い出し本当にやりたいことに挑戦/夢の実現と価値観の変化

忍岡さん:
40歳が近づくにつれ、自分が本当にやりたいことに挑戦したいという気持ちが芽生えるようになりました。官僚時代も社会に直接的なインパクトを与えたいと思って仕事をしており、MBAで社会起業の授業を受けたことがきっかけで、ビジネスを通じて社会課題を解決したいと憧れを持つようになっていきました。3キャリアチェンジや離婚など激動の30代を経て、40歳目前で本当に自分が自分らしく生きるために何ができるだろうと考えたときに、その原点を思い出し転職活動を始めました。その中で、たまたま出会った”ヘラルボニー”という会社にすごく惹かれ現在はCOOという立場で働いています。当時採用ポストが経理枠しか無く、自分は経理は出来なかったのですが、どうしても働きたかったためで会社にラブレターを書いて挑戦しました。今あるポストに自分が合わせるのではなく、自分の強みが生かせる会社を自分で見つけて、自分が生き生きと働けるポストを作るということが出来るのかという発見もありました。

山上さん:
MBAを卒業し、世界銀行のYPPプログラムに参加することが出来たのが3つ目のターニングポイントです。実はその中で自分の中の価値観も変化したなと感じます。今迄はキャリアを一番重視して歩んでいたのですが、プライベートとのバランスも考えるようになりました。YPPでは2年間の間に世界各国のオフィスに行けるため、昔の自分であったら世界中を飛び回っていたかもしれませんが、今は1年ナイロビオフィスで過ごし、残りの1年はパートナーがいるアメリカオフィスに戻ろうと思っています。このように今までの自分ではしないような選択をして、一旦立ち止まることができたのは、これまで自分自身のキャリアを優先して、全力で挑戦したいことは挑戦してきたなと感じたためです。もちろんまだキャリアの目標はありますがこのような価値観の変化も自分にとっては新鮮でした。

参加者へのメッセージ

忍岡さん:
自分らしく思うように生きましょう!
社会規範等に併せて生きてきたけど、恐れずに自分らしく勇気をもって挑戦すれば絶対どこかに道は開けます!
また、キャリアの逆算がプレッシャーになることもあるので時には考えすぎずに、今自分がやりたいことに向き合う方が良いと思います。
山上さん:
前例の有無を恐れず、自分自身を理解したうえで理想の自分に向かって挑戦することが大切です!
また自分一人で今の自分があるわけではないので、周りへの感謝を忘れずに過ごすことも大事だなと感じます。


おわりに

パネルディスカッションの後も、終了時間の直前まで参加者の皆様から多くの感想・質問が寄せられました。ゲストお二人のキャリアは一見華やかに見えますが、その裏では自分と同じような悩みや不安がありつつそれを乗り越えて来たのだという等身大のお話を聞くことができた思います。筆者も、お二人の考え方・歩み方の違いや共通点を対談を通して知ることができ、十人十色のキャリアに向かって恐れずに自分らしく挑戦しようと思うことが出来ました。
イベント終了後の参加者アンケートでは、「自分が思うように生きていきたいと思った」「キャリアに迷っていたが、お二人の話を聞いて前向きに考えられるようになった」「今後の行動指針になった」といった感想がありました✨
本イベントを通じて、皆様が自分らしくキャリア・人生を歩むことへのヒントを少しでも収穫していただけていたら嬉しいです!
忍岡さん、山上さん、そしてご参加の皆様、誠にありがとうございました!!
今後もLean In Tokyoでは様々なイベントを開催予定です!興味あるテーマがございましたら是非ご参加ください🌼
Lean In Tokyoメンバー一同お待ちしております😊
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