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【1/22 パラレルキャリアのリアル〜新しい働き方、始めてみませんか?〜 イベントレポート】


Lean In Tokyoでは、2022/1/22にオンラインイベントを開催しました!今回のテーマは「パラレルキャリアのリアル-新しい働き方、始めてみませんか?-」。ゲストに、本業では大手HR会社で新卒採用を担当し、副業ではグラフィックレコーディングをされている三瓶聖奈さん、そして、本業でSDGsの英語教材開発、副業では、都内私立高校で非常勤講師をされている佐藤祐子さんをお迎えして、リアルなキャリア事情をお伺いしました

目次
第1部:パネルディスカッション
■ゲスト紹介
■パラレルキャリアの大変なこと、面白さ
■キャリア観の変化や今後のビジョン
■女性とパラレルキャリアの親和性
第2部:Q&Aセッション

第一部:パネルディスカッション


■ゲスト紹介
Q:なぜパラレルキャリアを始めようと思ったんですか?

三瓶聖奈さん(以下、聖奈)

「本業では新卒で大手HR会社に就職し現在は新卒採用を担当
副業ではグラフィックレコーディング」


もともと一つのお仕事だけするイメージがなくて副業への興味はありました。ですが実ははじめから副業にするつもりでグラフィックレコーディング(以下、グラレコ)を始めたわけではなかったですね。グラレコとの出会いは会社での自分の価値に悩んだ社会人1年目の時でした。
自分の一年間を絵で振り返るグラレコのワークショップに参加したのがきっかけで、考えをイラストで整理することの面白さに気づきました。それから、自分のグラレコ作品をFacebookなどですこしづつ発信し始めました。たくさんフィードバックをもらって、自分のアウトプットに価値を感じてくれる人がいることを認識できたし、自分のやりたいことや自分にしかできないことが言語化されていきました。それを続けていたら気づけばグラレコが副業になっていた、という感じです。思い返せば、グラレコにつながる要素は自分の中に昔からありました。小さい頃漫画家になりたかったし、大学時代にはデザインシンキングが新しい価値創造にもたらすメリットをアメリカで体感したり、難しい議題になると文字で伝わるには限度があったり…絵で表現したらもっと伝わりやすくなるんじゃないか?そんなもどかしさを通して、デザインが伝える力を感じた経験が今につながっていると思います。

※グラレコ(グラフィックレコーディング)とは
(聖奈)対話や議論をグラフィックで可視化するコミュニケーション手法のことを言います。スライドにあるのは今回のようなパネルディスカッションの内容を即興で絵にする仕事をした時のアウトプットです。グラレコはいろんな価値提供の幅があり、言語を用いるものであればなんでも仕事になるのでジャンルも幅広く扱うことができるツールです。特に医療など親和性が高く、難しい内容も絵を使うことでだれにでもわかりやすく伝えることができます。

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佐藤祐子さん(以下、祐子)

「本業では、国際エデュテイメント教会でSDGsの英語教材開発
副業では、都内私立高校で非常勤講師」

私にとって、本業と副業という明確な区別はないんです。人生の目標として「よりInclusive(包括的)な社会を作る」を掲げており、本業も副業もまとめて、仕事はあくまでその目標を達成する手段と捉えています。Inclusiveな社会というのは「違いを大切にして活かせる社会」のことで、教育の現場から実現に貢献したいと思っていました。
パラレルキャリアという選択肢にたどり着いたのは、私の生まれ育った環境が大きく影響していると思います。私は10歳から21歳までアメリカで過ごし、言語やアイデンティティ的にもパラレルなんです。帰国後は一般企業で働いていたのですが、東日本大震災が起きたときに何か「自分だからできること」はないかと思い被災地で働くことにしました。
そこでは、英語が母国語の子たちのためが日本で勉強するためのサポートをしていました。
それまではどこかで自分が「普通の日本人」じゃないことに負い目を感じていたのですが、被災地での経験を通して、自分の「異質」さが価値になると気づき、自分の強みを活かす術を学ぶために大学進学を決意しました。同時に、自分がcomfortable(居心地がいい)居場所は自分で作らないといけないという気づきも得ました。それが自分が「働きやすい、自分らしくいられる」パラレルキャリアの選択につながったと思います。

※国際エデュテイメント協会では教育現場へのICTの導入サポートやSDGsを題材にした英語教材を開発しており、私は教材開発を統括しています。
17個の項目について①ゴールの概要②世界の現状③日本の現状④日本でこの項目達成に向けて活動されている方を取り上げています。「貧困」や「飢餓」など従来の教科書では「世界のどこかで起きている問題」と捉えられてきた問題を日本に焦点をあてて、自分ごととしてSDGsのトピックを捉えてもらえるような工夫をしています。


パラレルキャリアの大変なこと、面白さ
Q:こんなに働いていてつかれないですか??

(聖奈) スケジュール調整は大変ですが、会社のフレックスタイムを活用して調整しています。副業に対して寛容的な会社なのでとても助かっています。
それから、自分がやらなければならないという責任を感じますね。イラストは自分の個性なので、代替がきかないんです。だから体調にも気を遣います。

(祐子) 確かに体は資本ですからね。一日の集中力を保つためにも体力は必要だと感じています。私はメンタルのケアも大事にしています。仕事以外にもジムや家事の時間も計画的にとり、生活全体のバランスがとれるように心がけています。


Q:それでもお二人がパラレルキャリアを続けられてる理由ってなんなんでしょう?

(祐子)好きなことを仕事にしているので「これをやっててよかった」と思うし、楽しいからです。私の場合は本業と副業がつながっていて、循環しているため、どちらの活動にも意味を見出しやすいと思います。例えば、作った教材を、担当しているクラスで試してみると、反応がわかって面白いです。教材開発の仕事ではエンドユーザーである「生徒」からフィードバックを貰う機会はなかなか限られているので、副業の存在がとてもありがたいですね。

(聖奈) 私の場合は本業と全く違うことをしているからこそ、副業が新しい自分の可能性を見つける機会になっているからです。できないことをできるようにするのが本業の場で、そこでの学びや、できるようになったことを再現性をもって実践し、外にアウトプットして価値にしてみることが副業の場だと捉えています。
本業でうまくいかなくてもそれを学びとして昇華し、グラレコで成長できていると感じられることで、成長実感、自己肯定感を高めることができます。
またエンドユーザーからのフィードバックが直接得られることは私も嬉しく、大切にしていますね。これは本業も副業も関係なくそうしていて、ユーザーが自分の中で具体的になればなるほど、その人の体験を「自分ごと」として捉えることができるようになります。だからもっといい価値を届けられる。それゆえフィードバックは大切にしているし、ユーザーの顔が直接見えるワークショップの開催などもしています。

■「キャリア観の変化や今後のビジョン」
Q: 実際副業を始めてみて、仕事に対しての考え方は変わりましたか?

(聖奈)できないことをできるようにすることが仕事だと思いこんでいたけど、自分がいつもやってた何気ないことが、アウトプットすることで誰かの価値になるということに気づきました。
自分の工夫次第でいろんなものが仕事になるんだなと思います。
ただ、グラレコで将来どうなりたい、というイメージは今はないです。それでいいと思っていて、常にビジョンが描けていなくてもいいと思うんです。でもこの先で「何者か」になるために、アウトプットをやめない、ただそれだけなんです。

(祐子)私の場合はパラレルキャリアをしたことで、大きく今後のビジョンが変わりました。私の人生目標である「inclusiveな社会をつくる」を教育現場から実現しようと思っていたのですが、実際は子供(高校生)はすでにinclusiveなマインドセットをもっている事に気づいたんです。だから、「子供」が社会にでて出会う「大人」をマインドセット変えていく方に注力したいと考えるようになりました。
※祐子さんは、4月から一般企業でDE&I(diversity, equity, and inclusion)実践のため転職します。これが本業になり、教材開発も副業として続けていきます。


■「女性とパラレルキャリアの親和性」「パラレルキャリアに向いている人」
Q:女性とパラレルキャリアの親和性についてどう思いますか?またどんな人がパラレルキャリアに向いているんでしょう?

(聖奈)女性だからこそ選択肢を多く持てるのではないのでしょうか?(男性は会社へのコミットを強く求められるため。)女性だからこそいろんな選択肢があると思っていて、その中でどんな立場になっても助けてくれるのが自分の仕事のバリエーションだとも思います。結婚、出産、仕事、、どんな選択をしてもその時引き出せる引き出しが増えることで自己実現につながると思います。
これは女性に限ったことではないですが、自分の会社で認められることに固執していたら特に(副業に)チャレンジしてほしいです。自分も会社でくすぶっているときに副業を始めて会社の評価だけが世の中の評価なのではないと視野が広くなって心が軽くなったんです。それよりも自分が誰にどんな価値を提供したいかが大事で、一つのものさしで自分の価値をきめちゃうなんてもったいないと思います。

(祐子)
パラレルキャリア自体、男女関係なく誰にでも必要なスキルだと思います。むしろ男性も率先してパラレルキャリアを行う事で、女性が犠牲になりがち。家族と仕事のバランスもよりとりやすくなると思います。
その上で、向き不向きは自分で決めることが大切です。自分にストレスない、ハッピーでいられる状態を作るために、働き方の一つとしてパラレルキャリアがあって、合わなければ選ぶ必要はないです。
パラレルキャリアを目指すのであれば、男女問わず、自分に自信を持って価値を認める覚悟が求められます。自分が認めてないものを他人に売れないですからね。会社にいると他人の評価に依存するから自己評価は必ずしも必要ないですが、パラレルキャリアではそれがすごく大事です。

Q: 参加者の皆さんへのメッセージをお願いします!

(祐子)あまり考えすぎないことですね。最初はお金にならないかもしれないけどそれを少しずつ続けていくことが、これから日本でいろんな働き方が求められる時代に必要になっていくと考えています。だからこそあまり深く考えずにアウトプットを続けてほしいです。

(聖奈)等身大の自分でいいんだよということです。自分のキャリアについて、私もまだ悩んでいるし迷子だけどそれが等身大の自分です。自分の価値を決めるフィールドと、世の中との接点を増やすことで、幸せで多様な生き方を見つけられると信じています。パラレル仲間としてこれから支え合って頑張っていきましょう笑

第2部:Q&Aセッション
お二人に参加者の皆さんからの質問に直接答えていただきました!(たくさんの質問がでてチャットが盛り上がりました!)

Q:何か資格や経験がない場合、どうやってパラレルキャリアを作ることができますか?

(祐子)資格はいらないです。自分でハードルを上げ過ぎていると思います。得意な事は「人よりうまくできること」でなく、ストレスなく続けられることだと思っています。それを副業にしてみるといいと思います。そしてやってみて無理ならやめられるのがパラレルキャリアのいいところです笑

(聖奈)私もハードルをあげすぎという言葉に共感します。資格よりも、どれだけ独自性があって面白いかのほうが今の世の中で生きていくうえで必要だと強く思います。本業では、内定者に「資格を得ることより自分の好きなことをやってほしい」とよく伝えています。好きなことというのは、自分のことを振り返ったときにじぶんが没頭できたもの、心輝くものです。誰にでもあるんじゃないかな?好きなことを強めていったときにそれが尖ったなにかになるし、それを突き詰めていくと誰かの価値になるかもしれないと思うんです。

Q:副業を本業にしていくビジョンはありますか?

(聖奈)今自分がグラレコを通して提供している価値こそが人生で提供し続けていきたい価値なんだと思ったときには、その可能性はあると思います。でもそれを目標として掲げてはいないです。


Q:副業のほうが楽しくなっちゃうことないですか?

(聖奈)本業ではできないことが多いので苦しいですが、そこでの学びが多いと確信しているからこそ続けたいと思っています。本業での学びを副業で形にできるかを試す機会にもなるし、逆に副業を通して得た価値や課題を突き詰めると、それは本業にも還元できる。本質的に副業と本業がどこかで結びついていると感じています。

Q: お仕事をかけもちしてると、それほど人脈も広がると思うのですが、同僚や上司、部下との関わりで意識していることはありますか?副業しているからこそ活かせるコミュニケーションスキルなどはありますか?

(祐子)いろいろなコミュニティに属しているので、その分違ったポジションの自分と、それに合わせたコミュニケーションが必要になってきます。私は「上司」「部下」みたいなキャラクターをきめずにどの場に行っても「祐子」としていられる様になりました。

(聖奈)グラレコについて積極的に発信して人脈を広げていくと、偶発的に新たな仕事が生まれる瞬間や、自分の価値がさらに磨かれる瞬間があります。そんな出会いを通して、世の中にはいろんなビジネスの形があると気づきました。本業でも相手に対して理解が深まったし、「いろんな人がいる!いろんなビジネスの在り方がある!」って受け入れる器が広くなったと思います。

■主催者コメント
今回のイベントは『パラレルキャリアに興味を持っている女性に、ロールモデルのお話を通して、一歩を踏み出す後押しをしたい』という思いで、開催しました。

ゲストのお二人が全く異なる分野で活躍されており、副業と本業のバランスもそれぞれで、『パラレルキャリア』と一言で言っても多様な働き方があることが伝わったかなと思います。

個人的には
祐子さんの『あまり考えすぎず、向き不向きはやってみて自分で決めればいいと思う。』というメッセージや
聖奈さんの『等身大の自分でいい。キャリアが定まってなくても、自分が没頭できる、好きなことををやってみるといいと思う。』
というメッセージに、パラレルキャリアに対するハードルが下がり、背中を押されました。

今回のイベントを通して、皆様のキャリアの選択肢が増えていたら嬉しいです。
 
■パネリストのコンタクト
三瓶聖奈さん
instagram:@seinaaaas2 (ワークショップご依頼などお問い合わせ先)
twitter:@_me_sena
グラレコHP:https://me-grareco.mystrikingly.com/
メディア:https://u-29.com/2021/10/27/seina-sanpei/  https://www.tbs.co.jp/A_STEP/archive/20201017.html

佐藤祐子さん
国際エデュテイメント協会:https://www.iueo.or.jp/

■次回イベントのご案内
【国際女性デー記念イベント2022】
MY LEAN IN STORY
〜前例のない道を、私らしく進む方法〜

国際女性デーテーマpeatix

■日時:2022年3月6日(日)10:00-11:30
■参加費 :無料(Zoom開催)
■定員:100名
■申し込み〆切:3/5(土)正午
■申し込み方法:https://iwdleanintokyo.peatix.com
※必ずPeatixからお申込みをお願い致します。
※お申し込みいただいた方へ、Peatix経由で参加用アドレス(Zoom)をお送りします。(開催日前日予定)


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