わかば
若葉の風かおるこの街で
ぼくたちは夢を探した、冒険家になって
はるか遠くからでも見えた希望
拠り所にした、あの山
一度きり、出会ったエル・ドラド
待ち合わせた交差点、赤信号、走り出す
月明かりの下で語った祈りと傷
数字の羅列になった、かなしいこと
わからないことばかりでも、できないことばかりでも
いとしいと言えたあの年月に、その日々に
ぼくは帰れない、帰れない、帰れない、帰りたい
(緊急地震速報 強い揺れに備えてください)
(緊急地震速報 強い揺れに備えてください)
(緊急地震速報 強い揺れに備えてください)
今も夢に見てしまうのは、あの星月夜、3月
ぼくのせいだったと思う、そんなわけがなくても
雪明かりのせつなさと、あのアラーム音
吠える犬、もう一度ぼくを撫でておくれ
祈りになんの意味があるっていうんだ
それでもやめられずにいるのに
ごめんなさい、と声にした
誰かに届くならそれでよかった
きみに届くかさえ置き去りの懺悔
に、ら、い、か、な、いと声にした
ぼくの中にいた彼女はまぼろし
それでも憧れにしがみついたまま
生きることをやめずにいる、ぼくは何?
何年で終わる、なんて言えるなら
ぼくたちのあの日々を返してくれよ
帰れない日々に取り残された
あのさみしさといとしさは何処?
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