ナナカマド
心と過去に増える傷を
ナナカマドが撫でる
傷を撫でて汚れたそれを見て
ぼくはひどく悲しくなった
ごめんなさい、と声にしても
風がどこかにさらっていく
ありがとう、と口にしても
波がどこかに隠してしまう
赤に汚れた若葉も
世界が綻んでいく日々も
全部僕のせいだって知ってる
(生まれてきたことは間違いだったでしょうか)
(生きてきたことは間違いだったでしょうか)
ざあ、ざあ。
ごお、ごお。
間違いだったとしてもいいよ
生きるしかないってわかってる
このまま終われたら楽だとしても
(間違いだったでしょうか)
(間違いだったでしょうか)
ナナカマドが揺れる、ゆれる
誰かぼくの頭を撫でて
生きていて、って笑ってよ
ざあ、ざあ、ざあ、ざあ。
ごお、ごお、ごお、ごお。
(間違いだった?)
(間違いだった?)
ゆれるナナカマド、ナナカマドは揺れて
間違いを認めても、花など咲かない世界で
あと一歩の終わりには踏み出せない
赤く汚れた若葉を
ぼくがまた拭うまで
ぼろぼろと綻んだ世界を
ぼくがまた紡ぐまで
(間違ってるよ)
(間違ってるよ)
拭うまで、紡ぐまで
ぬぐうまで、つむぐまで
ぼくは明日も間違うのでしょう
ぼくは明日も間違うのでしょう
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