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東京外国語大学の学生と一緒に渋谷のマナー問題に取り組んでみた(④アイデアブラッシュアップ編)【Shibuya Cross Session】

11月4日(土)、Shibuya Cross Session第3回のワークショップを行いました。今回の開催場所は学生のためのコミュニティスペース「sponge」。前回のゲストスピーカーである渋谷センター商店街の鈴木大輔さんが、場所をお貸しくださいました!
当日は鈴木さんだけではなく、中高校生向け起業体験型人材育成プログラムを提供する株式会社まなぶや取締役の太田可奈さん、学生が中心となって運営する原宿表参道新聞副編集長の砂川颯一郎さんもご参加くださいました。

今回のワークショップの目的は、これまでのフィールドワークやゲストとの意見交換をとおして学んだことから、解決策を考えること。

解決策のタネを考えよう!

前回のワークショップで見えてきたのは、路上飲酒やゴミ問題は来街者への情報不足によって引き起こされているのではないかという仮説。
さらに「酔っ払いの集団が怖い」という住民の声や、知らない人たちに生活の場を汚されているという現実から、住民と来街者の対立構造も見えてきました。そこで今回は、「来街者への情報不足」「住民と来街者の対立構造」という2つの課題に対して解決策を考えることにしました。

こちらのグループは「情報不足」に対する解決策を考えました
もう一方のグループは「対立構造」を解決する方法を考えます

どちらのグループからも多様な意見が出てきたところで、中間発表です。

情報不足に対する解決策

  • 来街者向けのアプリを開発し情報発信を行う

  • ゆるキャラを通してマナー啓発を行う

  • ツアー会社やホテルなど複数のメディアを経由した情報発信を行う

対立構造に対する解決策

  • JAPAN PRIDE 〜クラブ発信のゴミ拾い〜
    →クラブの営業終了時にゴミ袋を配り、協力した人にドリンクチケットなどをプレゼントする

  • 地元の人と来街者が交流できるインターナショナルスペースの開設

  • ペットボトルしか受け付けないなど、不法投棄させないゴミ箱の設置

  • 夜より昼に渋谷の魅力を集中させる

  • センター街に住んでいる人に洗濯物を干してもらうなどあえて生活感を出す

個性的なアイデアがたくさん出てきました。
ここからさらにブラッシュアップしていくために、良いと思ったアイデアにスタッフ含め3票ずつ投票を行いました。その結果がこちら!

各アイデアのブラッシュアップ

3位は同率であったため
・クラブ発信のゴミ拾い
・アプリによる発信
・ゆるキャラなど、多様なメディアを通した発信

という3つのアイデアをブラッシュアップしていくことになりました。参加者の方々から出てきた鋭い意見をほんの少しご紹介します。

クラブ発信のゴミ拾い
・クラブの閉店後に来場者がゴミ拾いをするのはかなりハードル高いのではないか
 →小さなゴミ袋を配るなど心理的なハードルを下げる工夫が必要

アプリによる発信
・来街者は日本に来る半年くらい前からリサーチをしているから、そのタイミングに合わせた情報発信が必要
・アプリに飲食店の情報を載せるには、飲食店の協力が不可欠。手軽さや、情報を載せたいと思う工夫が必要

ゆるキャラなどによる情報発信
・東京外大とコラボすれば英語だけでなく多言語対応のゆるキャラをつくることもできる
・定着するには、来街者だけでなく住民からも愛される存在である必要がある

このように活発な議論が行われ、3時間の長丁場でしたがあっという間に時間が過ぎていきました。

ワークショップのまとめ

ワークショップは今回が最終回。最後に参加してくださった学生さんたちから感想を発表してもらいました。

・フィールドワークをとおして自分の予想が裏切られたり、解決策をブラッシュアップしていくことで新しい案が生まれたり、興味・好奇心が動く3日間だった
・「マナーを守らせる」のではなく、感じ方や価値観の違いを考慮したうえで欲しい情報を伝えることが大事だと思った。
・渋谷は多様性に溢れている街だから解決策を一つに絞るのが難しい。今後もフィールドワークをとおして一歩一歩対策していくのが大切だと思った。

など、当初私たちが想定していた以上のことを学生さんたちが感じてくれました。

また、普段渋谷で活動している同世代の砂川さんからも、「半ば諦めているところもあったけど、様々な解決策が出てきてまだできることがあると希望が見えた。」との嬉しい感想もいただくことができました。

今回のワークショップについては、11月6日(月)から開催されているSOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAにて10日(金)夜に報告をしてきます!

Shibuya Cross Sessionでは、様々な立場の人の意見に耳を傾けることを大切にしてきました。その結果、見落としていた視点に気づいたり、思いも寄らないアイデアが生まれたりしたことは、私たちにとっても素晴らしい学びとなりました。
また、大学・地域・行政をつなぎ解決策を考えていくことに大きな可能性も感じ、ここに企業の実行力が加われば、アイデアがより実現に近づくのではないかと考えています。

ワークショップは今回で一区切りですが、大学を起点として社会課題へアプローチする仕組みを、これからも模索していきたいと思います。

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